研究課題/領域番号 |
12555232
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
上岡 龍一 崇城大学, 工学部, 教授 (70099076)
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研究分担者 |
金納 明宏 薬物安全性試験センター, 薬理研究所, 部長
松本 陽子 崇城大学, 工学部, 助教授 (00133562)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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キーワード | リポソーム(複合脂質膜) / 化学療法 / リンパ腫瘍 / アポトーシス / カスペース / 臨床試験 / がん化学療法 / 体内動態 / 腫瘍縮小 / 肺がん / 延命効果 / 担がんマウス |
研究概要 |
1 複合脂質膜の制がんメカニズム 複合脂質膜のアポトーシス誘導におけるカスペース-3の活性化を検討した。カスペース-3阻害剤存在下でのDNA断片化率を測定したところ、DNA断片化率のカスペース阻害剤濃度依存性が明らかになり、更に、ウエスタンブロッティング法によりカスペース-3およびカスペース-3の基質(PERP)分解物を検出し、複合脂質膜によるカスペース-3の活性化を明確にした。次に、ミトコンドリアの関与について検討した。複合脂質膜の添加によりミトコンドリア膜電位の低下が観察され、又、チトクロムcの細胞質への放出が検出された。以上の結果から、複合脂質膜によるアポトーシスシグナル伝達へのミトコンドリアの関与を初めて明らかにした。 2 糖含有三成分系複合脂質膜のがん細胞増殖抑制効果 スクロース骨格を有する糖ミセルを導入した糖含有三成分系複合脂質膜は、ヒト脳腫瘍細胞に対して特異的な細胞増殖抑制効果を示した。ガラクトースを骨格とする糖ミセルを第二成分として導入した場合は、ヒト肺腺がん細胞に対し、特異的に顕著な増殖抑制効果を示した。正常ラットを用いた安全性試験では副作用は認められていない。 3 臨床における治療試験 国立熊本病院の生命倫理委員会の承認を得た後、余命数カ月と診断され、あらゆる治療法で効果がなかった再発悪性リンパ腫の患者に対して複合脂質膜を投与し、臨床試験を行った。約一年間の治療期間中、発熱、血液毒性、肝毒性、腎毒性などは無く、副作用は認められず、長期の連続投与が可能で、高い安全性および明らかな延命効果が認められた。固形リンパ腫瘍に対して局所投与したところ、腫瘍の顕著な縮小が認められ、早期実用化が期待される。
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