研究課題/領域番号 |
12555241
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 和仁 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00172859)
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研究分担者 |
中島 章 株式会社先端技術インキュベーションシステムズ, 取締役研究所長(研究職) (00302795)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | 酸化チタン / 超撥水 / カーボンブラック / 接触角 / ゾルゲル / 分相 / コロイダルシリカ |
研究概要 |
超撥水膜作製の上で適当な粗さの付与による効果的な撥水性の強調は必須条件である。しかしながら粗さの付与は機械的硬度の低下を招き、実用上の障害となっている。本研究者らはこの点を踏まえ、シリカアルコキシドとコロイダルシリカを用い、この加水分解物にアクリル樹脂を添加することで誘起したクレーター状の分相構造とコロイダルシリカから得られるナノスケールの粗さを組み合わせ、その上からフルオロアルキルシランをコーティングして撥水処理することにより、従来のものより硬度が高く、かつ可視光透過性を有する超撥水性シリカ薄膜を作製することに成功した。このプロセスは酸化チタンゾルを用いることで光触媒との組み合わせも可能である。またこのラフネスミックス効果を様々な粗さの形状や大きさに検討し、コロイダルシリカの凝集形態制御により、プロセス温度を250℃まで下げることに成功した。 更に酸化チタン添加超撥水膜においてきわめて微量(2%以内)の酸化チタン量で防汚機構が効果的に付与される機構について、PTFEをベースにした酸化チタン添加超撥水膜とモデル膜構造体、及び仮想汚れを用いて実験的検証を行った。その結果、ラジカルはPTFE上で非常に拡散距離があり、汚れの分解が可能であること、また酸化チタンの添加された超撥水膜では紫外線照射により帯電減衰が早くなることが確認され、少なくとも(1)フッ素で覆われた表面での長いラジカルの拡散距離、(2)酸化チタンによる静電気の除去効果が働いていることが確認できた。更に撥水剤にフルオロアルキルシランを用いた場合、光触媒添加透明超撥水膜では外部環境からの付着汚れの分解による撥水剤の分解のバランスが重要な設計指針であることが判った。
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