研究課題/領域番号 |
12555251
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮浦 憲夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10002049)
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研究分担者 |
山本 靖典 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30271646)
石山 竜生 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00232348)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2000年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
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キーワード | 水溶性ホスフィン配位子 / クロスカップリング反応 / 不斉マイケル付加反応 / 水溶性キラル配位子 / ポリマー担持型触媒 / 有機ボロン酸 / パラジウム触媒 / ロジウム触媒 |
研究概要 |
有機金属化合物とそれを利用する反応は種々の新しい有機合成用試薬と方法論を提供してきたが、酸素および水に極度に鋭敏な有機金属試薬の工業的利用は大きく制約されていた。我々は有機ボロン酸が水、酸素に安定であり取り扱いやすいことを利用して、ボロン酸誘導体と遷移金属触媒を用いる選択的炭素-炭素結合形成反応に関する研究を行ってきた。本研究では水溶液中におけるこれらの反応の可能性を実用面から調査した。 1).水溶性ホスフィン配位子の開発(宮浦、石山) 水溶液系における遷移金属触媒反応の開発には、優れた水溶性ホスフィン配位子の開発が必須となる。新規水溶性配位子、GLCAphos、Ph基を'Bu基、Cy基に変えた、'Bu-GLCA, Cy-GLCAを合成した。 2).水溶液中における有機ボロン酸のカップリング、付加反応(宮浦、石山、山本) いずれの反応も有機溶媒/水混合溶媒中で効率よく進行する。従って、水溶性パラジウムあるいはロジウム触媒の使用により、さらに効率的な分子変換が可能になる。有機ボロン酸によるハロゲン化アリールとの完全水系クロスカップリング反応をGLCAphos, Cy-GLCA, 'Bu-GLCAを用いて調査した。反応はCy-GLCA/Pd系で最も効率よく進行した。 また、完全水系マイケル反応において触媒を効率よく機能させるためにシクロデキストリンに包摂したRh触媒を開発した。反応は速やかに進行し、[Rh(OH)(cod)]_2を用いた場合には室温で反応が進行した。 3).不斉マイケル反応の開発(石山、山本) キラルロジウム錯体による不斉共役付加反応について調査した。現在すでに、ロジウムに対するキラル配位子が多数開発されている。これらを用いて不斉マイケル付加の一般性について調査した。有機溶媒系における実験ではBINAPにより高い不斉収率(97%ee)が得られている。水溶液系ではRh(acac)(coe)/dppm系で効率よく反応が進行することが分かった。 4).ポリマー担持型触媒によるカップリング、付加反応(宮浦、石山、山本) 水溶性ホスフィン配位子と同時にポリマー担持型触媒は触媒や配位子の分離、触媒のリサイクルが容易であり工業的に利用しやすい。ポリマー担持型ポパラジウム触媒により有機ボロン酸のビアリールクロスカップリング反応が効率よく進行することを明らかにした。
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