研究課題/領域番号 |
12555259
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
青井 啓悟 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (30222467)
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研究分担者 |
山本 彩未 三菱東京製薬, 製薬技術開発研究センター, 研究員
岡田 鉦彦 中部大学, 生物機能開発研究所, 教授 (20023103)
野村 信嘉 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (70291408)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | デンドリマー / シュガーボール / ポリペプチド / 分子認識 / 糖鎖高分子 / 分子カプセル / 生医学材料 / DNA |
研究概要 |
(a)シュガーボールカプセルの合成:優れた細胞認識能を有し、かつカプセル化の効率が高い、新規の糖・脂質ハイブリッド型シュガーボールの合成を行った。デンドリマーとしては、生物学的応用も考慮して、工業的に生産されているポリ(アミドアミン)デンドリマーを用いた。糖ペプチド部分の合成には、糖置換アミノ酸N-カルボキシ無水物(糖NCA)を使用し、ペプチドN末端にラウロイル、カプロイル、ブチリル基を導入した。これらのシュガーボールあるいは前駆体の精製に、備品として購入したタンパク質精製装置が極めて有用であった。ゲスト分子として、薬剤モデルのANS(1-アニリノナフタレン-8-スルホン酸)の封入を行った。また、新規デンドリマー関連重合体として、ポリリシンを軸ポリマーとするシリンダー状デンドリマー(シュガーシリンダー)を合成した。デンドリマー分岐鎖部分は、ポリ(アミドアミン)骨格を用いた。デンドリマーの化学構造は、NMR, IR, MALDI-TOF MSなどの測定により確認し、大スケールでの合成を行った。 (b)薬物および遺伝子送達システムへの応用:(b-1)薬物送達システム:シュガーボールの細胞認識能を、ヒママメレクチンを用いた赤血球凝集阻害試験により評価した。蛍光プローブ(ANS)カプセル化シュガーボールでも、同様の試験を行い、その分子認識能に差がないことを明らかにした。 (b2)遺伝子送達システム:シュガーボールカプセルとプラスミドDNAとの複合化を電気泳動、CD測定などにより解析した。レクチンを用いた赤血球凝集阻害試験により、細胞標的性を調べた。DNAがシュガーボールに巻き付き、レクチンと結合することを明らかにした。シュガーボールとDNAとが複合化した状態で、シュガーボールは極めて高い分子認識能を示すことを見出した。さらに、ポリリシン型シュガーシリンダーについて、細胞認識の評価、DNAとの複合化の調査、遺伝子導入の評価などを行なった。ポリリシンを軸とするシュガーボールは、末端糖鎖間隔が低世代で最適化でき、細胞認識能の向上が期待できる。また、分子形状の特徴から、DNAとの複合化についても好適と考えられ、シュガーボール/DNA複合林については、電荷比を変えた実験において、複合化能力を詳細に調べた。分解酵素に対する優れた耐性があることを明らかにし、DNAの高次構造についてもCD測定などにより考察した。合成と機能評価で得られた知見を相互に交換することによって、効率よく実用化に向けた、構造、手法の最適化を行った。
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