配分額 *注記 |
8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
研究概要 |
本研究では,幅広いいイオン強度域で核酸選択吸着能を維持できる新規吸着剤の開発を目的とし,ポリアミノ酸球状粒子および架橋ポリエチレンイミン(PEI)球状粒子を調製した。両粒子の酸性タンパク質水溶液からの核選択除去能について詳細に調査した。その結果、両粒子は以下のような特長を示した。 (1)細大細孔径がM_<1im>500-2×10^6(糖の分子量として)で、アミノ基含有量が0.1-3.5meq/gのアミノ化ポリ(γ-メチルL-グルタメート)粒子を調製した。の核酸吸着能を評価した結果、同粒子のアミノ基含有量が多いほど、細孔径が大きいほど核酸吸着能が高いことがわかった。同粒子は、核酸を幅広いイオン強度域および幅広いpH域で吸着維持できるが、アルブミンなどの酸性タンパク質を吸着するため、同タンパク質水溶液からの核酸に対する選択吸着除去は困難であった。 (2)細大細孔径M_<1im>500-1×10^4,PEI含有料50-90mol%の架橋PEI粒子の核酸吸着能を評価した。その結果、アルブミンに対する吸着能においては,粒子のPEI含有量よりも細孔径の及ぼす影響の方が大きいことがわかった。糖の排除分子量として1×10^4以上の細孔径をもつ両球状粒子は,種々のタンパクに対してイオン性あるいは疎水性の吸着活性を示した。結果として,M_<1im>2000,PEI含有料80mol%の架橋PEI粒子率は,緩衝液のイオン強度がμ=0.2,pH7.0の条件下で、タンパク質を吸着することなく核酸に対する選択吸着活性が高かった。 本研究で開発された種々のカチオン性高分子粒子は,それらのイオン性,疎水性,表面構造が異なるため,核酸やタンパク質に対する吸着容量や吸着活性が維持できるpHおよびイオン強度域が異なることがわかった。これらの条件を考慮して吸着処理を行うことでタンパク質-核酸混合溶液からの核酸の選択吸着除去が可能になることが明らかとなった。
|