研究課題/領域番号 |
12555265
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井上 義夫 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (60016649)
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研究分担者 |
藤戸 輝昭 日本電子データム(株), 分析機器技術部, 主任研究員
浅川 直紀 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (80270924)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 光検出磁気共鳴 / π共役系高分子 / 固体NMR / ポリ(アルキルチアゾール) / ポリ(アルキルチオフェン) / パイ電子共役 / 高分子 / 光学的検出NMR |
研究概要 |
本研究は、固体核磁気共鳴法(SSNMR)ならびにゼロ磁場下における時間分解光学的検出磁気共鳴(ODMR)分光計の開発を目的として研究を行った。250MHz〜1.5GHzの非常に広帯域の共鳴の検出を可能にする光学検出磁気共鳴検出器の作製に成功した。π共役系高分子を従来型の検出器で測定する際にしばしば生じていた放電の問題は、同軸キャビティ構造を採用することにより回避できた。時間分解法に必要なタイミング発生装置として、パルスパターンジェネレータ(24チャンネル、10ナノ秒分解能)を作製した。光源としてキセノンフラッシュランプを用いた。試料からの発光はモノクロメータに送り分光し、光電子増倍管あるいはフォトダイオードに電気信号に変換し、デジタルストレージオシロスコープによりデジタル化した。マイクロ波の送受信の各部分と光学系を接続し、マイクロ波周波数変化と光波長変化の測定の自動化プログラムを開発することにより、システム化に成功した。π共役系高分子のモデル化合物1,4-ジブロモナフタレン(DBN)について光検出電子スピン共鳴(ODEPR)と光検出核四重極子共鳴(ODNQR)の試験的な測定を行った。 一次構造制御型のポリ(4-メチルチアゾール)[P4MeTz]を脱ハロゲン化重縮合法により合成した。DSC測定により、P4MeTzでは約293K前後に異常吸熱ピークが観測された。側鎖のメチル水素を99%重水素ラベルしたP4MeTzを合成し、固体^2H四極子エコースペクトルを118〜393Kの温度範囲で測定したところ、転移の高温相側では、メチル重水素の粉末スペクトルに非対称性が現れた。室温付近でDSCにより観測された吸熱ピークは複素五員環face-to-faceの分子間πスタッキングの融解に帰属され、この融解によりπ共役系の広がりが低下したことが異常比熱の原因と考えた。重水素NMRの実験結果から、P4MeTzでは、回転転移とπスタッキングの融解とがカップリングしていると考えた。
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