研究課題/領域番号 |
12555270
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
鈴木 健訓 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 教授 (40162961)
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研究分担者 |
沼尻 正晴 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (20189385)
三浦 太一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助教授 (80209717)
近藤 健次郎 高エネルギー加速器研究機構, 共通研究施設, 教授 (20004434)
何 春清 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, COE研究員
HE Chun-Qing Applied Research laboratory ; COF Scientist
沖 雄一 高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 助手 (40204094)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 陽電子消滅 / ポジトロニウム / 複合材料 / 薄膜 / 高分子 / 多層膜 / 多層膜境界面 / 低速陽電子 / 低誘電率膜 / パルス化 |
研究概要 |
低速陽電子ビームを発生するには通常電子加速器施設が使用され、施設も規模も大きくなっている。このようなビームを小さな化学実験室で使おうとした場合、加速器を用いると、建物も大きく、金額もかかり不可能である。放射性同位元素を用いると、大規模な施設を必要とせず、化学実験室の1m×2m程度の実験テーブル上で低速陽電子ビームを扱うことができる。本研究ではこのような目的に合う低速陽電子装置を開発した。装置は内径2cm、長さ5cmのパイプにRFの電場をかけて、一段の圧縮を行なっている。印加周波数と加速電圧によりこめパイプの長さは変わり、陽電子の通過する際の速度に関係している。完成した装置は40MHz周期でパルスビームを発生させており、パルス間隔は25nsである。このような装置では、5ns〜50nsのような長い寿命の空隙は測定することは不可能であるが、パルスを間引きする装置を用いることによって、長い寿命が測定可能になる。材料中の陽電子寿命は、金属、液体、高分子で異なり、金属では200ps程度の短い寿命を測定しなければならない。本研究の装置は、ビーム幅500〜600psのようなビームパルスを発生させるため、金属のような200psの寿命は測定不可能である。一般に、化学の対象となる、高分子や液体では、寿命は2ns〜3nsでありこの装置は十分にその役目を果たすことができる。この装置を改良して、200psのような陽電子寿命を与える金属にも適用できれば、装置の汎用性が増し、解析装置として十分どの分野で使うことが可能になる。このことを行なうためには、現在のバンチャーを前段として、下流にメインバンチャーを付ける事が可能であるが、そのための基礎的な実験が必要である。 この装置を用いてポリエチレン、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂複合材料の表面などを測定した。結果は十分期待に応えるもので、今後、多くの高分子材料への応用を行う予定である。また、さらに分解能の小さいビーム達成のために、新たな開発研究を提案している。
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