研究課題/領域番号 |
12555276
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
船舶工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
矢尾 哲也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029284)
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研究分担者 |
仁保 治 三井造船株式会社, 船舶艦艇事業本部, 課長;研究職
藤久保 昌彦 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30156848)
林 茂弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60263216)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 縦曲げ最終強度 / 座屈強度 / 最終強度 / 逐次崩壊解析 / 理想化構造要素法 / Smithの方法 / 連続防撓パネル / 強度評価 / 座屈・塑性崩壊挙動 / 断面の反りの影響 / 解析的手法 / 船体ビルジ部 / 座屈・塑性崩壊 / 有限要素法 / 簡易解析法 / 断面の反り / 船体桁 / 溶接残留応力 |
研究概要 |
船体の縦曲げ最終強度評価法の開発を目指して一連の研究を実施し、以下の成果を得た。 (1)縦曲げ強度部材である防撓パネルの座屈・最終強度解析を実施する場合、防撓材ウェブは板として、一方、防撓材フランジは梁・柱としてモデル化することが、効率的かつ高精度の解析に適したモデル化であることを明らかにした。 (2)船底外板に作用する水圧荷重が、ホギング状態の縦曲げ最終強度に及ぼす影響を再現できる逐次崩壊解析のための簡易解析法を開発し、水圧荷重はホギング最終強度に対して、あまり大きな影響を与えないことが確認された。 (3)船体ビルジ部の座屈・塑性崩壊挙動を、一連の有限要素法解析を実施して明らかにし、その崩壊挙動を再現する簡易力学モデルを開発した。このモデルを縦曲げ逐次崩壊解析コードに組み込んで計算を実施し、その結果を従来のハードコーナー要素でビルジ部を表した計算の結果と比較し、最終強度にはほとんど査がないが、最終強度後の耐力に少し差が現れることが確認された。 (4)剪断力による断面の反りが縦曲げ最終強度に及ぼす影響を取り入れる方法を新たに構築し、これを逐次崩壊解析コードに組み込んだ。計算結果によると、反りの影響で縦曲げ最終強度が、最大で15%程度低下する場合のあることが確認された。 (5)理想化構造要素法解析のために、新しい板要素を開発し、本要素を梁・柱要素と組み合わせて防撓パネルの圧壊挙動を精度良く再現できることを確認した。本要素を縦曲げ最終強度解析に適用することは、今後の課題として残っている。 (6)各種設計因子が縦曲げ最終強度に及ぼす感度を求め、縦曲げ最終強度に影響を及ぼす因子を特定すると同時に、得られた感度を用いて4隻の現存船に対して信頼性解析を実施し、縦曲げ崩壊の観点からは、これらの船が十分に安全であることを確認した。 (7)縦曲げ最終強度評価法に関するガイドラインを導いた。それによると、設計の段階に応じて適切な解析法を選定して縦曲げ最終強度の計算を実施すること、また、厳密な方法で求めた要素平均応力〜平均ひずみ関係を用いたSmithの方法が、現時点では最も優れた方法であることが明らかになった。
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