研究概要 |
目的:大岩の破砕を自動的に検出する手法として,過去の研究でその有効性が実証された力覚による方法の他に,いくつかの知的センサ情報を融合して,大岩破砕判断アルゴリズムを開発し,一連の大岩自動検出・破砕システムの構築を目的としている.さらに個別要素法を用いて大岩内に形成されるき裂に進展状況を数値シミュレーションにより検討することを目的とする. 研究結果: (1)油圧ブレーカ装置の設計・製作 3自由度を有する油圧ブレーカを設計・製作し,油圧ブレーカの打撃により大岩が破砕され,また「のみ」の部分に貼付した歪ゲージの動作確認を行った. (2)「のみ」の滑りの検出 大岩を油圧ブレーカで破砕する際,ブレーカの「のみ」の部分を大岩に押し付けるが,その際の「のみ」の滑りを歪ゲージからの信号を用いて検出するアルゴリズムを開発した. (3)大岩破砕実験による歪データの取得 油圧ブレーカモデルに設置された力覚センサより,「のみ」に作用する歪のデータを計測した. また歪データより,破砕の有無を判別するアルゴリズムを提案した. (4)大岩破砕実験による大岩画像データの取得 油圧ブレーカモデルに設置された視覚センサより,破砕の直後における大岩の画像を取得した.また画像データより,破砕の有無を判断するアルゴリズムを提案した. (5)力覚と視覚の融合による制御実験および自動破砕判断システムの開発 力覚センサでは,リアルタイムによる判断が可能であるので,まず力覚センサの情報を基に大岩破砕の有無を判断し,破砕が行われていないと判断された場合についてのみ,画像データを処理し,破砕の有無を確認した.その結果,成功率の高い判断アルゴリズムの構築が可能となった. (6)個別要素法による大岩破砕の数値シミュレーション 個別要素法を用いて大岩破砕の数値シミュレーションを行い,破砕に及ぼすのみの先端の形状および大岩内に形成されるき裂の進展過程について考察した.
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