研究課題/領域番号 |
12556033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川内 浩司 北里大学, 水産学部, 教授 (70050523)
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研究分担者 |
森山 俊介 北里大学, 水産学部, 講師 (50222352)
高橋 明義 北里大学, 水産学部, 助教授 (10183849)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | アワビ / アブラツノザメ / アルギン酸ゲル / サケ / 成長促進 / 成長ホルモン / 脳神経節 / ヤツメウナギ / サケ成長ホルモン / サケ成長ホルモン含有ゲル / 成長ホルモン様タンパク質cDNA / 成長ホルモン様タンパク質遺伝子 / クローニング / アルギン酸 / サケ成長ホルモン抱理ゲル / 成長促進因子cDNA / 成長ホルモル / cDNAクローニング / 取り込み / 成長ホルモン抱埋ペレット |
研究概要 |
我々は、成長ホルモン分子族の分子進化を考察して、「成長ホルモン遺伝子が無脊椎動物に起源する」という仮説を立て、サケ成長ホルモンが無脊椎動物・アワビの成長を促進するというこの仮説を支持する結果を得た。本研究では、軟骨魚類および無顎類の成長ホルモン分子族を検索し、初期に進化した脊椎動物における成長ホルモン分子族の遺伝子重複を推定した。成長ホルモン抗体を用いて、アワビに免疫陽性細胞を検索した。同定した成長ホルモン陽性細胞を含む組織から成長ホルモンcDNAをクローニングした。成長ホルモン含有アルギン酸ゲル餌を作成し、アワビ稚貝の成長促進効果を調べた。 下垂体からアブラツノザメ成長ホルモン(183残基)およびヤツメウナギ成長ホルモン(181残基)を単離し、それぞれのcDNAをクローニングした。しかし、ヤツメウナギからはプロラクチンおよびソマトラクチンが存在する証拠は得られなかった。ヤツメウナギの肝臓からインスリン様成長因子cDNAをクローン化し、成長ホルモンが肝臓でのそのmRNAの発現を用量依存的に増加させることをin vitroで明らかにした。したがって、成長ホルモン-インスリン様成長因子を介した成長促進機構は脊椎動物の進化の初期に確立し、無顎類の進化の過程で成長ホルモン遺伝子が重複し有顎類においてプロラクチンとソマトラクチンが生じたと推定した。 サケの成長ホルモン抗体に対する免疫陽性細胞をアワビの脳神経節に発見した。アワビ脳神経節から、成長ホルモンで最も保存性の高いC-末端領域のプライマーを用いたPCRにより、cDNA断片をクローン化した。その44翻訳アミノ酸配列は、期待通り、成長ホルモンの特徴を備えていた。 サケ成長ホルモン含有アルギン酸ゲル餌を作成し、このゲルをアワビ稚貝に与えた結果、その体液中にサケ成長ホルモンが検出された。また、アワビ稚貝の殻長と体重は、対照群と比べて、著しく増加した。これらことから、サケ成長ホルモン含有ゲル餌はアワビ稚貝の成長促進剤として可能性がある。
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