研究課題/領域番号 |
12556042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物環境
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
高山 眞策 (高山 真策) (2001-2002) 東海大学, 開発工学部, 教授 (90236365)
谷 晃 (2000) 東海大学, 開発工学部, 講師 (50240958)
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研究分担者 |
鱧谷 憲 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (30264815)
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 教授 (60092087)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 熱収支 / フラックス / アカマツ / モノテルペン / 自動濃縮 / ペルチェクーラー / 濃縮管 / 貯留 / 熱収支法 / ボーエン比法 / 自動濃縮採取装置 / 微気象観測 / 電動アクチュエーター |
研究概要 |
森林群落上2高度で採取したテルペンガス濃度の差から森林群落のテルペン発散フラックスを求めるために、2経路のガスを吸着剤を含む濃縮管に通気し、大気中のテルペンを採取できるテルペンガス自動濃縮採取装置を試作した。8回程度の採取を全自動で行うため、ステッピングモーターで作動する電動アクチュエーターを2つ用いて、それぞれ濃縮管への経路を切り換え可能にした。コントローラーにデータロガー機能があるCR10Xを用い、装置の作動をプログラム制御するとともに、濃縮装置各部の温度や通気流量を計測し、記録した。通気流量の制御には、マスフローコントローラーを用い、2経路の通気流量や濃縮時間を同一にした。最大18本までの濃縮管を保持できる濃縮管保持部の温度を、濃縮期間にわたって一定、均一にするため、ペルチェクーラーを取り付けた。 この試作機の性能を評価するため以下の実験を行った。 1 採取経路での汚染ガス発散の有無の確証 2 同一量のテルペンを濃縮した時の2経路での分析結果の一致度 3 濃縮管保持部の温度保持性能 1の結果、濃縮経路からのテルペンガスなどの汚染ガスの放出は認められなかった。 2の結果、濃縮に用いる9つの切り換えポートで両経路間の分析結果差は10%以内であった。これは分析誤差の範囲内であり、2経路でのテルペン回収率に差はなかった。 3の結果、濃縮管保持部の構造の改良によって18本の濃縮管の温度を均一(0.2℃以内)に維持できた。 以上の実験で、装置の高い性能を確認し、実際にフラックス測定に応用できる目途が立ったため、アカマツ林のフラックス測定サイトにて、5月から11月までモノテルペンフラックスを断続的に測定した。フラックスは、6月に最大で、次いで8月と5月で高かった。秋季になるとフラックスは低下したが、11月でも測定可能であった。 モノテルペンの中では、α-ピネンが最も多く発散されており、次いでリモネン、β-ピネン、ミルセンの順であった。また、林内の高度プロファイルの測定から、樹冠下部の空気層に大量のモノテルペンが貯留していることが判明した。特に、大気が安定状態となる夜間や夕方にモノテルペンの蓄積が起こること、および早朝には貯留していたモノテルペンが上方へ輸送され、測定したフラックスが放出速度を過大評価することがわかった。これらを考慮した貯留モデルを作成し、群落の放出速度と、貯留の影響が含まれるフラックスとを区別して考慮することを可能とした。 以上のように、テルペンガス自動濃縮採取装置の完成とともに、そのフラックス測定への適用により、森林のモノテルペン放出フラックスに関する興味深い現象を解明できた。
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