研究課題/領域番号 |
12557009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
丹羽 正美 長崎大学, 医学部, 教授 (20136641)
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研究分担者 |
中桶 了太 長崎大学, 医学部, 助手 (50325635)
山下 康子 長崎大学, 医学部, 助手 (80291532)
山田 亮 (株)ジェイ・エム・エス, 中央研究所, 所長(研究職)
片岡 泰文 福岡大学, 薬学部, 教授 (70136513)
DELI Maria 日本学術振興会, 外国人特別研究員
ABRAHAM Sandor 長崎大学, 医学部, 助手 (60315231)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2000年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 血液脳関門(BBB) / アストロサイト / 薬物脳内移行 / ペリサイト(周囲細胞) / 脳毛細血管内皮細胞 / BBB in vitro再構築系 / 抗痴呆薬 / BBBキット |
研究概要 |
より生体機能に近似した血液脳関門(BBB) in vitro再構築系(in vitro BBB kit)の構築し、その機能を検証した結果、新しい知見を得た。血液脳関門は、毛細血管内皮細胞、ペリサイト(周囲細胞)、およびアストロサイトの3者より構成されているが、ペリサイトの役割はよくわかっていない。そこで、毛細血管内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトを共培養することによりin vitro BBB kitを作成しペリサイト共培養によるバリア機能の変化を評価した。2腔培養系transwellを用いて培養し、以下の4種のin vitro BBB kitを作成した。(1)内皮細胞のみ(2)内皮細胞とペリサイトの共培養(両細胞を接着させないもの)(3)内皮細胞とペリサイトの共培養(両細胞を接着させたもの)(4)ペリサイト接着共培養(3)にアストロサイトを加えたもの。バリア機能は、微少電極を用いた経内皮電気抵抗の測定と、内皮細胞を透過するsodium fluoresceinとEvan's blue-albuminの量を測定し評価した。その結果、ペリサイトの接着共培養にてバリア機能は上昇し、これにアストロサイトを加えることにより透過性は亢進することが判明した。ペリサイトは内皮細胞の安定化や血液脳関門の機能上昇にはたらいているものと考えられた。アストロサイトも血液脳関門を構成する一つとして重要な位置を占めている。一般に内皮細胞とアストロサイトを共培養することにより、P糖タンパクの発現上昇や、tight junctionの誘導がおこるなど、バリア機能は上昇するといわれている。しかし,ペリサイトへの作用やペリサイト影響下での内皮細胞への作用はわかっていない。アストロサイトを加えることにより透過性は亢進し、ペリサイトにより上昇したバリア機能は低下した。内皮細胞、ペリサイト、アストロサイトは互いに作用し、BBB機能を調節しているものと考えられた。
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