配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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研究概要 |
近年、内分泌撹乱化学物質の一種であるダイオキシン類による環境汚染は、ヒトの発癌性の増加および催奇形成の原因と考えられており、さらに世代を超えた影響をもたらす恐れがあることから、深刻な社会問題になりつつある。本研究においては、環境中に汚染されたダイオキシンの低減、特にその修復が難しといわれている土壌中ダイオキシンの分解を遺伝子組換え体を利用して行うシステムを確立することを目的とした。 本研究開発の実施により、ダイオキシン誘導体の生体毒性を一括して簡便・迅速に検出・測定できるバイオアッセイ系を構築することができた。本法では最も毒性が強い2,3,7,8-TCDDでは10fMからの検出が可能であり、当初の目標値(1nM以下)をクリアした。一方、ダイオキシン誘導体を生化学的に分解・不活化する手法を確立する目的で、枯草菌及び白色腐朽菌からダイオキシン分解に関与する遺伝子のクローニングをし、いくつかの有望な遺伝子を取得することができた。この酵素遺伝子の発現産物を評価する際、今回開発したレポーター遺伝子アッセイをスクリーニングに活用することができた。本アッセイ系を活用し、その酵素のダイオキシン活性物質(2,3,7,8TCDD,3,3',4,4',5-PCB等)の分解・修飾活性があることが示された。また、その酵素を発現できるトランスフォーマントは、酵素発現の増強・改良を行いつつ、今後より一層実用的なものに改良する予定である。これらの結果を総括すると、本研究開発により、分子生物学的手法を用いてダイオキシン誘導体をバイオアッセイ法にて検出・測定できる系を構築し、またこの測定法を利用して初めて、ダイオキシン分解・修飾に関与する遺伝子の取得とその発現産物である酵素のダイオキシン誘導体分解・修飾能を評価することができ、バイオレメディエーション系開発への筋道をつけることができた。
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