研究課題/領域番号 |
12557038
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岸 玲子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80112449)
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研究分担者 |
河合 俊夫 中央労働災害防止協会, 室長(研究職)
森若 文雄 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30142722)
佐田 文宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90187154)
田川 義継 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (40109426)
小橋 元 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (60270782)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2001年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2000年度: 7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
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キーワード | 職業曝露 / スチレン / 曝露量 / 色覚 / 振動覚 / 神経行動テストバッテリー / 動揺度 / 職業性曝露 |
研究概要 |
[目的]職業性スチレン曝露と色覚障害、神経行動への影響、末梢神経障害等の関連、特に曝露濃度との量的な関係、累積曝露の影響を明らかにする。 [対象]レジャーボート製造工場で働く74名のスチレン作業者を曝露群、有機溶剤に曝露されていない103名を対照群として調べた。 [方法と曝露評価]自記式調査票を記入し、自覚症状(急性、慢性)を調べた。曝露評価:1991年から年2回健診の尿中マンデル(MA)酸濃度を測定し、累積曝露に換算した。調査時の曝露量は気中スチレン濃度と終業時尿中スチレン代謝産物マンデル酸(MA)、フェニルグリオキシル酸(PGA)、尿中スチレンを測定した。機能検査:色覚:LD-15Test(CCI(Color Confusion Index)で定量化)、コントラスト視力(CT8000)、神経行動テストバッテリー(言語問題、符号問題、数唱、積み木デザイン、サンタアナ、RT、ベントン)、振動覚(TM-31A)、平衡機能測定(1G06)を行った。 [結果と考察]工場検査時平均気中スチレン濃度49.9(±35.9)ppm、尿中MA濃度0.26(±0.35)g/gCr.、尿中PGA0.11(±0.11)g/gCr.;CEI6.5(±5.2年)であった。曝露群と対照群の年令を±3才でマッチさせ色覚では44ペアを作成し検定を行った結果、曝露群のCCI値が対照群より有意に高かった。色覚と曝露量の関連を検討するため、尿中MA+PGA0.24g/gCr.、CEI5.5年で曝露群を層別し、高、低曝露群と対照群の多重比較を行った、高曝露群のCCI値は対象群のそれより有意に高かった。スチレン曝露許容濃度が50ppmから20ppmに下げられたが、今回、10ppm相当の尿中MA+PGA0.24g/gCr.で層別した解析では、色覚とスチレン曝露の量的な関連が認められ、色覚が神経系障害の鋭敏なマーカーといえることがわかった。CEIと色覚の量的な関連が見られなかったが、工場の尿中MAの推移からみると、近年、尿中MAの平均値が低くなっており、さらに、調査時前年から、作業中防毒マスクの使用の周知により、気中スチレン濃度平均値49.9ppmに比べ、尿中MA濃度0.26g/gCr(16ppm相当)は低い曝露量であった。
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