研究課題/領域番号 |
12557043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小池 隆夫 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80146795)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
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キーワード | β2-グリコプロテイン / β2-GPI欠損者 / β2-GPI-Sapporo / 動脈硬化 / SLE / リスファクター / 抗リン脂質抗体症候 / 血栓症 / β2-GPI / 遺伝子欠損 / LDL / 抗リン脂質抗体症候群 |
研究概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)には、心筋梗塞に代表される動脈硬化や血栓症が正常人より、10〜50倍多いことが知られている。また、SLEには高頻度に抗カルジオリピン抗体が出現するが、私は抗カルジオリピン抗体の対応抗原であるβ2-GPIと抗カルジオリピン抗体(抗β2-GPI抗体)が関与し、スカベンジャーレセプターに依存しない酸化LDLのマクロファージへの結合の機序が存在する事を明らかにした。すなわち、動脈硬化の成因である酸化LDLのマクロファージによる細胞内取り込みおよび泡沫化がβ2-GPIおよび抗カルジオリピン抗体(抗β2-GPI抗体)の関与のもとで著しく上昇することを明らかにした。一方、β2-GPIはリポ蛋白リバーゼとしての活性を有し(別名、アポリポ蛋白H)、生体では抗動脈硬化作用(酸化LDLのマクロファージへの結合を抑制する作用)がある。 私は偶然β2-GPIを欠損している姉弟を発見し、その遺伝子解析と凝固学的検索と脂質の検索を行った。その結果、β2-GPI欠損者では329番目のthymineが欠落し、フレームシフトを来たし、β2-GPIの第2ドメイン以降が産生されないことが明らかになった。また、著しい脂質代謝異常(高LDL血症、特にsmall sized LDLの増加)と過凝固を認めた。これまでの健常人800例程の遺伝子解析から、約7%にβ2-GPI遺伝子のヘテロ欠損が329番目の位置に認められる。それらの遺伝子異常と脂質代謝とくにLDLとの関係を解析した。しかし、必ずしもβ2-GPI遺伝子のヘテロ欠損と脂質代謝異常との関係は明らかではなく、また新たに発見されたβ2-GPI欠損者にも明らかな凝固異常や脂質代謝異常も認められなかった。以上の結果から、β2-GPI欠損が必ずしも血栓症のリスクファクターにはならないと考えられた。ただし、β2-GPI遺伝子のヘテロ欠損は相当数存在することから、このような個体に糖尿病、高脂血症、高血圧、肥満といたようないわゆる生活習慣病のリスファクターが相乗的に作用する可能性は否定できない。
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