研究課題/領域番号 |
12557054
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
林 紀夫 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00144478)
|
研究分担者 |
大川 和良 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
平松 直樹 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
佐々木 裕 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (70235282)
巽 智秀 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2001年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2000年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
|
キーワード | 癌ワクチン / 肝細胞癌 / 樹状細胞 / 免疫遺伝子治療 / IL-12 / 4-1 BB ligand / B7-1 |
研究概要 |
マウス肝癌モデルにおいて、樹状細胞(DC)による癌ワクチンと、インターロイキン12(IL-12)の併用による癌免疫療法を検討した。同系マウス由来肝癌細胞株BNLのtumorlysateを作成し、BNL tumor lysateをパルスされたDCによる癌ワクチン及びIL-12投与を施行後、マウスより脾リンパ球を採取し、クロムリリース法にて脾リンパ球の親株のBNL細胞に対する細胞障害活性を検討した。次にBNL細胞を皮下接種後、腫瘍形成の確認されたマウスにDCによる癌ワクチン及びIL-12投与行い抗腫瘍効果を検討した。DCによる癌ワクチンのみで、脾リンパ球のBNL細胞に対する細胞障害活性及びIFNγ産生を誘導したが、IL-12を併用することによって、脾リンパ球の細胞障害活性及びIFNγ産生は有意に増大した。DCによる癌ワクチン及びIL-12投与による併用療法は、腫瘍として形成されたBNL細胞に対して抗腫瘍効果を示した。抗体を用いたcell depletion実験によりCD8陽性及びCD4陽性T細胞の関与が示唆された。また、安全性に関しては、BNLの抽出液をパルスした樹状細胞を同系のBalb/cマウスに投与し、IL-12 0.5μgを腹腔内に投与する免疫を行い、経時的に血清ALT値および肝組織のアポトーシスを組織学的に評価したところ、血清ALTの上昇は全く認められず、また組織学的にも肝細胞障害は確認されなかった。また、免疫後長期にマウスを観察したところ、体重の低下、生存率の低下等は観察されず、摂食行動等にも異常は認められなかった。以上のことから、肝癌の抗原性を樹状細胞を用いて宿主に提示しかつIL-12を投与する免疫は、大きな副作用を伴うことなく実施が可能であると考えられた。本研究課題により樹状細胞とIL-12を用いることにより、肝癌を安全にワクチン化し得ることが明らかとなった。
|