研究課題/領域番号 |
12557080
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲野 徹 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
|
研究分担者 |
大澤 匡毅 キリンビール, 医薬探索研究所, 研究員(研究職)
松本 加代子 大阪赤十字血液センター, 研究部, 課長(研究職)
木村 透 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (50280962)
鈴木 聡 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10311565)
大沢 匡毅 麒麟ビール, 医薬探索研究所, 研究員
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2001年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
|
キーワード | 造血幹細胞 / 胚性幹細胞 / 分化誘導 / 転写因子 / GATA-2 / 幹細胞 / 造血 / 細胞分化 / GATA転写因子 / Myb転写因子 |
研究概要 |
胚性幹細胞(ES細胞)をOP9ストロマ細胞と共生培養することにより、血液細胞へと分化誘導する方法(OP9システム)では、造血前駆細胞を産生することはできるが、自己複製能のある造血幹細胞を産生することはできない。そこで、まず、造血前駆細胞において転写因子をコンディショナルに発現させるシステムの開発をおこなった。その方法を駆使することにより、造血能を改善することを目的とした研究をおこなった。 未分化な造血細胞に発現するzinc finger型の転写因子であるGATA-2を、テトラサイクリンによるコンディショナルな遺伝子発現系(Tetシステム)を用いて、造血前駆細胞において強制発現させる実験をおこなった。その結果、造血前駆細胞のコロニー数、ならびに、コロニーあたりの造血細胞数が増加すること、さらに、より未分化な造血コロニーの比率が増加すること、が明らかとなった。このことは、GATA-2によりOP9システムによって発生する造血細胞の造血能を高めることができたことを示している。 従来の研究から、GATA-2は血液細胞の終末分化を抑制するものと考えられていた。しかし、本研究の結果は、赤血球系・巨核球系への分化は抑制ではなく促進することを示していた。終末分化の抑制は、GATA-2ではなく、GATA-2とエストロゲン受容体のリガンド結合ドメイン(GATA-2/ER)の融合転写因子の研究から得られた結果であったので、OP9システムとTetシステムをあわせた我々の方法においてGATA-2とGATA-2/ERの機能解析をおこなったところ、両者は、ほぼ逆の機能を持つことがあきらかとなった。 今後、本研究において有用性が明らかになった、OP9-Tetシステムを用いて、造血細胞の分化機序を明らかにできるとともに、よりいっそうの造血細胞の機能改善に用いることが期待できる。
|