研究課題/領域番号 |
12557105
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
六反 一仁 徳島大学, 医学部, 助教授 (10230898)
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研究分担者 |
杉田 尚久 田辺製薬, 創薬研究所, 主任研究員
田代 征記 徳島大学, 医学部, 教授 (30040249)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2001年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 熱ショック蛋白質誘導剤 / 肝移植 / トランスレーショナルリサーチ / 非環状テルペン化合物 / geranylgeranylacetone / geranylgeraniol / 熱ショック蛋白質70 / 阻血・再還流障害 / geranylgerannylacetone / 熱ショックタンパク質70 / シャペロン誘導剤 / テルペン化合物 / 肝阻血・再還流傷害 / アポトーシス / 阻血・再灌流傷害 / 肝細胞傷害 |
研究概要 |
種々の環境ストレスにより細胞内に誘導される熱ショックタンパク質のなかで、熱ショックタンパク質70(HSP70)は細胞に強力な抵抗力を誘導する。本研究は、代表者が特定した分子シャペロン誘導剤であるgeranylgeranylacetone(GGA)をシード化合物にして、より有効で安全な分子シャペロン誘導剤を開発し、肝移植分野での臨床応用を目指すための基盤づくりを目的とした。まず、GGAの類縁化合物である非環状テルペン化合物のスクリーニングを行った。その中から、geranylgeraniol(GGO)がGGAの1/100〜1/10の濃度でHsp70の誘導と細胞保護作用を発揮することを見いだした。GGOの体内動態と安全性については、経口投与では約10%のGGOが吸収されること、最大1g/kgの経口、1mg/kgの静脈投与では急性毒性が見られないことを確認した。GGOは構造上光学異性体が生じやすく、新規化合物の合成は断念しGGOを直接検討することにした。有効性の評価については、ラットの肝阻血・再還流障害、広範囲肝切除による急性肝不全モデルに加え、膵臓の阻血・再還流障害についても有効性を確認した。これらの実験を通じて、経口投与、経静脈投与、経動脈投与、及び経門脈投与の有効性と投与量、投与期間についても詳細に検討した。最終的に、本年度(最終年度)において、ラットの同種肝移植モデルでの検討を行ったが、GGA及びGGOとも有効性を見いだすことが出来なかった。 本研究の最終目標である肝移植モデルでの有効性は確認できなかったが、これらの研究を通じて、分子シャペロン誘導剤の新たな可能性を見出すことが出来た。具体的には、GGAが小胞体ストレスを起源とする疾患にも有効であることを示すことが出来た。この成果により、神経変性疾患などへの応用の可能性を示した。
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