研究課題/領域番号 |
12557108
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
消化器外科学
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小西 文雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (20142242)
|
研究分担者 |
増渕 成彦 自治医科大学, 医学部, 助手 (30316533)
甲斐 敏弘 自治医科大学, 医学部, 講師 (40260830)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | 大腸癌 / 遺伝子変化 / リンパ球浸潤 / MSI / 術後遠隔成績 / Microsatellite Instability / 遠隔成績 / 異時性多発大腸癌 / Microsatellite instability / DNAメチル化 |
研究概要 |
大腸癌の発生、発育進展に関与する主な遺伝子の変化のなかで、特に,microsatellite instability(MSI)とリンパ球浸潤績に焦点をあてて遠隔成績との関係を検討した。大腸癌取り扱い規約におけるstage II, III症例で根治的手術が施行された症例を106例を検討対象として選択した。MSIリンパ球浸潤の判定および遠隔成績の検討は、すべてそれぞれの結果を検者間でブラインドとして判定した。腫瘍部におけるリンパ球浸潤を間質リンパ球浸潤(SIL)と腫瘍細胞間リンパ球浸潤(ITCIL)に分けて検討した。SILは、CD3, CD4, CD8, S-100陽性細胞が混在していたが、ITCILのほとんどがCD8陽性細胞であった。MSIとの関連は、SIL浸潤強度とは有意ではなく、ITCIL浸潤強度との関連は有意であった。また、MSI強陽性例(MSI-H)は、MSI陰性/MSI弱陽性(MSS/MSI-L)と比較して、リンパ節転移陰性例が有意に多かった。累積生存率の検討では、MSI-H症例はMSS/MSI-L症例に比して良好な傾向が認められたが、有意差はなかった。以上より、MSI-Hは、従来から考えられてきた間質リンパ球浸潤に比して腫瘍細胞間リンパ球浸潤(CD8陽性)と有意に関連しており、このタイプのリンパ球浸潤によってリンパ節転移などの腫瘍進展を抑制している可能性があると考えられた。遠隔成績の比較では、MSI-HはMSS/MSH-Lと比較して統計学的有意差は得られなかったが、MSI-H症例が良好な遠隔成績を示すという従来からの報告の機序を裏づける一つのエビデンスと考えられた。
|