研究課題/領域番号 |
12557117
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三谷 章 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50200043)
|
研究分担者 |
長谷川 護 ディナベック研究所, 所長(研究職)
田中 光一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80171750)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
|
キーワード | 脳低温 / 虚血 / ニューロン死 / 遺伝子 / 海馬CA1野 / 低温 / 脳虚血 / 保護機構 / 海馬CA1 / ニューロン死防御 |
研究概要 |
脳卒中などの虚血性脳血管障害によって中枢ニューロンが死に陥って脱落すると、そのニューロンの担当する機能が障害され、言語・記憶・思考などの高次脳機能が喪失する。このことは「寝たきり」や痴呆症をはじめその後遺症で悩む患者の発生につながり、わが国のような高齢化社会では深刻な社会問題となっている。これまでのこの治療法に関する最も重要な発見のひとつは、脳血管障害発生中はもちろんのこと、たとえ脳血管障害発生後であっても脳温を数℃下げるとニューロン死を防げるという事実である。すでに国内のいくつかの施設において臨床応用され、重症のくも膜下出血の患者を救命できたという明るいニュースも伝わっているが、「なぜ効くか」ということは依然解明されていない。本研究では、脳低温により発生する虚血脳保護効果の機構を明らかにする目的で、まず脳低温により発現する虚血脳保護遺伝子の検索を行うために必要な自動脳低温制御システムを開発し、脳低温によって積極的にニューロンを保護する機構が誘導されているかどうかを検証し、さらにその積極的にニューロンを保護する機構はどのような遺伝子の発現に基づいているかを検索した。その結果、1.本研究で開発した自動脳低温制御システムは動物の脳温を長時間に亘って低温に維持することを可能にした。 2.虚血後24時間の脳低温処置により一過性脳虚血によって誘発される海馬CA1遅発性ニューロン死は完全に防御された。 3.24時間以上の虚血前脳低温処置によって海馬CA1遅発性ニューロン死は防御され、その防御効果は永続的であった。 4.脳低温処置により誘導されるニューロン保護機構にTyrosine phosphataseの産生を担う遺伝子の関与が示唆された。 などの結果が得られた。
|