研究分担者 |
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
中須 正議 ペンタックス(株), 開発部, 研究員
川崎 貴生 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (90002229)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
抜歯即時インプラントにおける早期の咬合機能回復を達成するため,粗造な海綿骨の緻密化を目的に研究を行い,以下の成果を得た. 付型性があり自由な形態を付与することが可能なリン酸カルシウムセメントを開発し,このセメントが操作性に優れ,生体適合性および骨伝導性に優れることを明らかにした.さらに,顎堤挙上を想定したサンドイッチテクニックを考案し,その有効性を示した.セメントの多孔化にも成功したが,生体内吸収性をセメントに付与することはできなかった.海綿骨の緻密化には,骨内で材料が吸収されることが不可欠と考え,吸収性を有する材料の開発に取り組み,球状β-三リン酸カルシウム(β-TCP)とCM-キチンの複合体を開発した.この骨補填材は,流動性を有し注射針より排出可能であり操作性に優れており,軟組織および骨内においても起炎性は認められず,優れた生体適合性も有していることが示された.また,BMPのキャリアとしての有効性を検索するため,このCM-キチン-β-TCP複合体にBMPを添加し,軟組織に埋入したところ,活発な骨形成が認められた.これまで,BMPのキャリアとしてコラーゲンが多用されてきたが,BSEなどの問題を考慮した場合,コラーゲンに代わるキャリアが必要とされており,この複合体が有用であることが示唆された.骨補填材としての有用性を検索するため,大腿骨に埋入したところ材料周囲には旺盛な骨形成が観察された.また,経時的に複合体の吸収が生じ,骨組織と置換され,大腿骨海綿骨領域は,緻密化されることが明らかとなり,抜歯即時インプラントにおける早期の咬合機能回復の可能性が示唆された.
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