研究課題/領域番号 |
12557168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
野村 章子 新潟大学, 歯学部附属病院, 助手 (80134948)
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研究分担者 |
山田 好秋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80115089)
野村 修一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40018859)
河野 正司 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50014098)
高橋 肇 亀田製菓株式会社, 研究室・主任(研究職)
五十嵐 敦子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90168097)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 摂食機能 / リハビリテーション / 唾液分泌機能 / 義歯 / 高齢者 / テクスチャー / クリープメータ / 産学連携 / 官能評価 / テクスチュロメータ / 加齢 |
研究概要 |
本研究では、義歯を装着している高齢者および、咀嚼・嚥下障害者が口腔機能のリハビリテーションを行う際に応用しやすい食品の開発と応用を目的とした。 1.食品咬断能力を評価できるように、硬さの異なる2種類のゼリーを食品会社と共同で開発した。これらのゼリーの破断応力を測定したところ、テクスチャーの有意な差があったので、成分比を変えることによって、硬さが異なる2種類のゼリーを製造できた。グルコース溶出量と分割試料表面積との間には高い相関が示されたことから、食品咬断率の測定は可能なことが明らかとなった。 2.高齢者における咀嚼能力と栄養摂取状態の調査を実施した。その結果から、口腔内状況や咀嚼能力は高齢者の栄養摂取に影響していることが示唆された。 3.5種類の硬さの異なる米菓について、65歳以上の上下顎総義歯装着者10名に試食してもらい、これらの米菓の咀嚼・嚥下状態を調査した。全員が一番硬い米菓を含むすべての米菓を咀嚼することができて、飲み込みやすいと答えた。この結果は、義歯を装着している65歳以上の高齢者の摂食機能を賦活化する目標値になりうると考えられた。 4.咀嚼・嚥下困難者のために開発された「ふっくらおかゆ」の物性測定を行った結果から、咀嚼・嚥下困難者用食品としての機能を有していて、温度や保存期間による影響を受けにくい食品であることが示された。 5.嚥下障害者に安会で栄養価の高いクッキーを開発するために、グリアジンとグルテニンそれぞれの単独のクッキーおよび、両タンパクの混合比率を1:1,1:2,2:1に調製したクッキーを試作した。見かけの硬さはグルテニン単独クッキーが大きいものの、破断するまでの時間は明らかに短く、硬いものの壊れやすい性質を持つことがわかった。一方、グリアジン単独クッキーは破断応力、破断エネルギーが小さく、軟らかいが、破断-歪み曲線は小さなピークが多数観察され砕けにくいことがわかった。 6.寒天を混合したゼラチンゼリーを作製し、それらの物性を評価した。ゼラチンに寒天を混合することによって、物性に顕著な変化がなく、口腔内では水分の溶出が抑えられてゼラチン単独よりまとまりやすくなる傾向が認められた。このことより、摂食・嚥下障害児・者用の食品としての有効性が示唆された。 3年間の研究期間において開発した様々な食品について、テクスチャーの評価と官能評価を行った結果から、摂食機能の向上に十分に役立つことがわかった。
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