配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2001年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
|
研究概要 |
1.新規転移モデルの作製と解析。 癌組織はheterogeneousな細胞集団と言われている。癌組織に類似した生体内での浸潤・転移機構の解明を目的に,蛍光ラベルした浸潤・転移能に相違のあるヒト舌癌細胞株(非転移性:SQUU-A転移性:SQUU-B)を混和後同所性移植し,局在を検討した。移植7日では同様の分布を示したが、徐々に非転移性癌細胞が中心部より消失し,21日では辺縁部に認めるにすぎなかった。従来辺縁部の細胞が浸潤・転移に関連していると考えられてきたが,転移性・非転移性の両癌細胞が局在していた。この新規モデル系は組織での腫瘍の進展の解明に有用なモデル系であると考えられた。 2.抗転移薬(HGFのアンタゴニストNK4,エンドスタチン)の作用機序の解析 NK4は供与していただいたアデノウイルス発現ベクターを使用し,エンドスタチンのアデノウイルス発現ベクターは当科にて作製した。nullとそれぞれのアデノウイルス添加後の遺伝子の発現の差をdifferential display法にて検討し,RT-PCR法にて確認したが,相違のある遺伝子を得ることができなかった。そこでマイクロアレイ解析を行ったところ,発現の相違を多数検出したので,その再現性の検討を行っている。NK4の場合,デスモコリン3の発現の相違を検出したので,非転移性癌細胞株と転移性癌細胞株での相違を検討した結果,非転移性癌細胞株では発現していたが,転移性癌細胞株で消失しており,転移抑制に関与することが示唆された。
|