研究課題/領域番号 |
12557178
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 智一 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50274668)
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研究分担者 |
菊入 崇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10322819)
斎藤 彰 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (20301913)
白川 哲夫 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00187527)
福本 敏 長崎大学, 歯学部, 助手 (30264253)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
2001年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
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キーワード | 先天的リスクファクター / 歯周病 / ダウン症 / テロメアDNA長 / 細胞老化 / インターフェロンレセプター / STAT1 / インターロイキン6 / 先天性リスクファクター / STA1 / 特異的発現遺伝子 / DNA chip / Microarray |
研究概要 |
歯の喪失の最も大きな原因は、歯周病の進行による歯周組織の破壊である。本研究では歯周病の罹患・進行における遺伝子的要因(先天的リスクファクター、genetic risk factor)を明らかにするため、常染色体異常であるダウン症をサンプルとして解析を行った。歯周病の罹患・進行に関して細胞老化からの解析と、近年のヒトゲノム計画の成果を利用して、遺伝分子生物学的に解析を行った。 1)ダウン症の細胞では一回の細胞分裂におけるテロメアDNAの短縮速度が速く、そのために早期老化症の形質を示すと考えられた。 2)また、ダウン症の直接の原因である第21番染色体上の遺伝子について解析を行った。ダウン症の細胞ではインターフェロンα/β受容体が強発現し、インターフェロンγ(IFN-ァ)のシグナルが過度に伝達していることが明らかとなった。 3)IFN-γ投与によるSTAT1の活性化も、ダウン症の細胞では促進していることが明らかとなった。この活性化はIFN-βの抗体投与で抑制されたことから、IFN-α/β受容体を介してIFN-γのシグナルが効率良く伝達していることが明らかとなった。 4)IFN-γ投与によるインターロイキン6(IL-6)の産生量が増加していることが明らかとなった。IL-6は炎症性サイトカインのひとつであり、歯周組織の破壊に関与していることが考えられた。さらにIFN-γ投与による細胞増殖抑制効果も正常線維芽細胞よりも大きく、歯周組織の再生や修復に抑制的に働くことが考えられた。 以上の研究成果は、第21番染色体上の遺伝子機能の制御が正常でないために、歯周病の罹患と進行に関与すると考えられる。今後の歯周病の罹患リスクの判定、予防および治療に利用可能な、有力な遺伝的要因(genetic risk factor)と考えられる。
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