研究分担者 |
加賀山 学 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60004610)
清水 義之 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (20187470)
清水 義信 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20005078)
三谷 英夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (50014220)
三木 美麗 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10236820)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2001年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2000年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
本研究は、振動刺激の歯周組織と骨組織への細胞レベル、分子レベルでの作用機序を基礎的背景から解明することにより、歯の移動や歯周組織の賦活化に最適な振動刺激の条件と負荷方法を見つけだすと共に、臨床的な応用のために振動力負荷装置を開発することを目的とした。 共振点追従機能を有する振動力負荷システムを開発し,ラットの第一臼歯とその部位の歯周組織振動系の共振周波数を測定した.ラットの上顎左右第一臼歯間に,初期荷重約120mNを発生する持続的拡大装置を装着し,歯の移動量を測定した.共振振動刺激負荷群には,0,7,14日目に,共振振動刺激(60Hz,1.0m/s^2)の正弦振動を第一臼歯の咬合面に対して垂直方向から8分間負荷した.一方,対照群には,振動刺激を負荷せずに歯の移動のみを行った.また,通法に従って連続切片を作製し,H-E染色,TRAP染色および免疫組織化学染色を施して,歯根吸収量,破骨細胞数およびReceptor activator of NF kappa B ligand (RANKL)の発現量について検索した.結果として、以下の知見を得た。 ラット第一臼歯の共振周波数は61.02±8.38Hzであった.共振振動刺激負荷群は対照群に比べて有意に歯の移動量が大きかった.一方、組織学的な病理所見は認められず,歯根吸収量にも差は認められなかった.共振振動刺激負荷群における歯根膜圧迫側のRANKL発現は,歯の移動開始3日目において対照群よりも強く,破骨細胞数は,8日目において対照群と比べ有意に多かった. 以上より、共振周波数を用いた定期的振動刺激は,実験的歯の移動時において,歯根吸収などの為害作用を増加させることなく歯の移動を促進した.そのメカニズムとしては,共振振動刺激負荷により歯周組織圧迫側におけるRANKL発現が増加し,破骨細胞が増加・活性化することで破骨細胞による骨吸収が促進されたと考えられた.
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