配分額 *注記 |
11,600千円 (直接経費: 11,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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研究概要 |
recombinant human bone morphogenetic protein-2(rhBMP-2)は,骨芽細胞への細胞分化を促進し,新生骨形成を促進することが示されてきた.しかし,セメント芽細胞への細胞分化を促進し,セメント質形成を直接促進するか否かは明らかにされていない.そこで,健全歯根膜からの細胞遊走を抑制させた環境で,rhBMP-2が新生セメント質を誘導するか否か,健全歯根膜からの細胞遊走の有無が,rhBMP-2による新生骨形成量に影響を与えるか否かを明らかにするため,以下の実験を行った. ビーグル犬を用い,健全歯根膜細胞の遊走を抑制した環境において実験を行った結果,健全歯根膜細胞の遊走の有無によらずrhBMP-2は新生骨の形成を有意に促進した。また,rhBMP-2の有無による,新生セメント質形成量への影響は認められなかった.健全歯根膜からの細胞遊走の有無は,rhBMP-2による新生骨形成量に影響を与えないことが示唆された. EMDの歯周組織再生に与える影響を組織学的に明らかにするため以下の実験を行った.ラットを用い,新生硬組織形成を質的,量的に検討した.EMDにより上皮の深行増殖が抑制され,セメント質の形成が促進されることにより歯周組織再生が起こることが組織学的に示唆された. rhBMP-2とEMDを併用した場合に,rhBMP-2による歯周組織再生にEMDがどのような影響を及ぼすかを検討するため以下の実験を行った. ビーグル犬を用い,エナメルマトリックスデリバティブ(EMD)を塗布後にrhBMP-2/PGS複合体を埋植した結果,EMDの併用,非併用にかかわらずrhBMP-2を埋植した領域のほぼ全域に新生骨形成が認められた.このことから,rhBMP-2による新生骨形成は、EMDの併用によって大きな影響を受けないことが示唆された.健全歯根膜細胞の遊走が抑制されない環境において、新生骨形成にともなう歯根面への骨性癒着はEMDにより防御され,新付着が促進されることが示唆された.
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