研究課題/領域番号 |
12557202
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
渋谷 雅之 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027066)
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研究分担者 |
山田 雄次 大鵬薬品工業, 第1がん研究所, 所長
鈴木 一郎 徳島大学, 薬学研究科, 助手 (40294714)
根本 尚夫 徳島大学, 薬学部, 助教授 (30208293)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,200千円 (直接経費: 13,200千円)
2002年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2001年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | エンジイン / エンインアレン / 合成 / レキシトロプシン / ラジカル / 光学活性 / DNA / 切断 / ハロゲン |
研究概要 |
この研究で我々は、光学的DNA切断活性物質のモデルとして、いくつかのエンジイン化合物を開発し、それらのDNA切断活性や化学的性質等について検討してきた。研究上留意した点は、(1)化学的に安定な化合物であること、(2)人体温度で効率よくラジカル活性種を発生すること、(3)生理条件でカスケード反応が開始されるトリガーを備えていること、等である。生体内ではある種のビラジカルは、イオン対に変化することが証明されている。これらのモデル化合物を設計し、ビラジカルを発生させるためにモデル系を開発した。 以上に述べたビラジカルは、イオン的な性質を持っており、その傾向は基質の構造や使用する溶媒に依存して様々に異なる。このようなイオン的性質について細かく検討するため、フッ素置換フェニル基を有するカルボン酸を合成した。この場合の閉環反応により生ずるラジカル活性種は、ラジカルとイオンの両方の性質を持つため、プロトン性溶媒中ではイオン的な挙動をし、非プロトン性溶媒中ではラジカル的な挙動をすることが予想される。実際、溶媒系の極性に関わらず、プロトンの有無によって異なる生成物が得られることがわかった。DNA切断活性においても以上を反映する結果が得られたが、中でもスルフォン誘導体はイオン的な性質を全く示さず、活性も強いことから、この化合物をリード化合物としていくつかの活性物質の合成を行った。 これらの研究を基礎とした医薬品開発は、重要な課題であり、幾つかの候補化合物の開発、DNAと親和性の強いアミノ酸残基の効率的な合成法の開発、MAC反応剤を応用した、炭素ビラジカル発生の生体内トリガーの開発などの研究を行った。 以上の成果を、薬理活性を有する制がん化合物の開発に応用するために、研究を継続している。
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