研究課題/領域番号 |
12557206
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
上釜 兼人 熊本大学, 薬学部, 教授 (90040328)
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研究分担者 |
松岡 俊和 熊本大学, 薬学部, 助教授 (50150545)
平山 文俊 熊本大学, 薬学部, 助教授 (90094036)
有馬 英俊 熊本大学, 薬学部, 助手 (50260964)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
13,000千円 (直接経費: 13,000千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 7,900千円 (直接経費: 7,900千円)
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キーワード | 環状オリゴ糖誘導体 / 機能性薬物担体 / ペプチド・蛋白性薬物 / 生体適合性 / 凝集抑制 / 吸収促進 / 放出制御 / 標的指向化 / 分岐型環状オリゴ糖 / 熱変性 / 安定化剤 / 可溶化剤 / 環状オリゴ糖 / 粘膜付着性 / 薬物放出制御 |
研究概要 |
ペプチド・蛋白性薬物を実際に医薬品として製剤化するには、機能性と安全性を備えた薬物担体を用いて、酵素安定性、膜透過性、標的指向性など多くの課題を克服しなければならない。そこで本研究では、安価で包接対象の広いβ-シクロデキストリンを原料に用いて、標的指向性(体内分布特異性など)、機能性(立体選択性,膜形成性,粘膜付着性など)、生体適合性(生分解性,局所安全性など)を強化した薬物担体を開発し、ペプチド・蛋白性薬物送達システムへの有効利用を企図した。以下に主な知見を要約する。 (1)当研究室で最近開発したアシル化シクロデキストリン(C_1〜C_<12>)の中で、中鎖アシル化体(C_4,C_5)は、粘膜付着性や薄膜形成性を有するため、これらの特性を利用して経皮または経粘膜適用製剤を構築し、生理活性ペプチドのような水溶性薬物の生物学的利用能の向上や薬効発現時間の制御に関する基礎的知見を得た。 (2)吸収改善が望まれるペプチド性薬物については,荷電状態や脂溶性を調節したスルフォブチル化β-シクロデキストリンを用いて、モデル薬物インスリンの放出速度や組織移行性の改善に関する基礎的知見を得た。 (3)陰イオン性の分岐シクロデキストリンであるglucuronylglucosyl-β-cyclodextrin(GUG-β-CyD)は、高水溶性で、生体適合性に優れ、塩基性ゲスト分子に対する高度な包接機能を有すること、さらに、遺伝子組換えヒト成長ホルモン(rhGH)の凝集体形成を顕著に抑制することが明らかとなり、蛋白性薬物用の新規製剤素材としての応用が期待される。 このように、本研究で対象とした各種β-CyD誘導体は、機能性や生体適合性に優れていることから、ペプチド・タンパク性薬物の経皮、経粘膜、注射剤などの製剤特性改善並びにDDS用素材としての有効利用が期待される。
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