研究課題/領域番号 |
12557230
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 公道 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80025709)
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研究分担者 |
中川 貴之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (30303845)
南 雅文 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (20243040)
佐治 英郎 京都大学, 薬学研究科, 教授 (40115853)
岩村 樹憲 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (70184900)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2001年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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キーワード | PETリガンド / オピオイド受容体 / carfentanil / 痛覚情報伝達 / イメージング / 結合親和性 / 高選択性 / 内因性オピオイドペプチド |
研究概要 |
Carfentanilのアザシクロヘキサン窒素原子とフェニル基間のアルキル基数を変化させた3つの化合物(A群)、carfentanilのフェニル基をナフタレン環に置換した4つの化合物(B群)、およびアザシクロヘキサン4位の置換基を変化させた3つの化合物(C群)を合成した。これらの改変化合物群に関して、μ、δ、κオピオイド受容体各サブタイプを発現させた細胞株を用いて競合的結合実験を行い、内因性オピオイドペプチドのKi値に近いKi値を有し(μ受容体に対してKi値1.0〜5.6nM)、さらに、Ki値の比率でδ/μおよびκ/μが50を超える化合物を、A群から2つ、B群から2つをPETリガンド候補化合物に選択した。さらに、これらの候補化合物はcarfentanilと同程度の固有活性を持つ完全アゴニストであることが明らかとなった。各化合物のエステル結合したメチル基にポジトロン核種(^<11>C)を導入するため、当該部分がカルボン酸である化合物を合成した。得られた化合物はμ受容体のインビボイメージングに有用な化合物となることが期待される。また、本研究により得られたB群の化合物の1つは、μ受容体にモルヒネと同程度の高親和性(Ki値5.6nM)で結合し、かつ、μ受容体に対し非常に高い選択性を有していた(δ/μおよびκ/μが各々550および960)。従来、μ受容体選択的アゴニストとしてはペプチド性アゴニストのDAMGOが用いられてきたが、本研究で得られた化合物は、非ペプチド性のμ受容体選択的アゴニストとして、オピオイド受容体研究の有用な薬理学的ツールとなることが期待される。また本研究では、オピオイド受容体の高次脳における痛覚制御機構への関与を検討し、扁桃体基底外側核のμオピオイド受容体が疼痛関連情動反応に対して抑制的に機能していることも明らかにした。
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