研究分担者 |
中島 康彦 京都大学, 経済学研究科, 助教授 (00314170)
森 眞一郎 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (20243058)
北村 俊明 京都大学, 総合情報メディアセンター, 助教授 (10324683)
津邑 公暁 京都大学, 経済学研究科, 助手 (00335233)
五島 正裕 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90283639)
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研究概要 |
1.負荷分散機構の実装と評価 (1)ユニット移送機構の開発: 共有メモリ環境であることを活用し,ユニット移送時には必要最低限の情報のみを移送することで.移送決定後から移送先での実行再開までの時間を短縮する基本プロトコルを設計し,それに基づいたベーシックな実装を行った.その結果,移送先でのオンデマンドなメモリ領域確保/割り当ての時間がユニット移送において極めて問題であることが判明した.そこで,ユニット移送機構自身が独自に管理するメモリ領域を一定量だけ予め割り当てる実装方式を提案した.さらに,一旦移送されたユニットが再び移送前のノードに戻ってくる場合に,過去の履歴を利用することで不必要なデータの移送を軽減する差分移送方式を提案し,具体的な実装方法について検討を行った. (2)ホームページ移送機構の開発: ユニットの移送に伴うホームページの移送ならびに,実行されるプログラムの振る舞いに応じて,プログラムから明示的/非明示的にホームページを移送するための基本プロトコルを作成しその実装を行った. 2.コンピュータ・コロニーの実装と性能評価 プロトタイプ環境として,SPARC版LINUXを搭載した2台のワークステーションに独自開発の専用ネットワークインタフェースカードを接続した簡易共有メモリ環境を構築し,その性能評価を行った.専用カードをユーザレベルで利用可能とするためのドライバ開発ならびに,Linuxカーネルの修正を行った.ネットワークカードが提供する共有メモリへのアクセス時間の評価を行った結果.細粒度のローカルメモリアクセスに関して,ユーザレベルの直接アクセスはシステムコールを介した場合に比べて,約8倍の高速化が得られた.また,リモートメモリアクセスの平均レイテンシは,Read/Writeアクセスがそれぞれ2.7/2.3マイクロ秒となった.
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