研究課題/領域番号 |
12558046
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河合 良信 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (10038565)
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研究分担者 |
石井 信雄 東京エレクトロン(株), 総合研究所, 副参事(研究職)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | 電子サイクロトロン共鳴 / 半導体プロセス / 大口径プラズマ / 低電子温度化 / 磁気ミラー / 高次モード / 異常波 / 高域混成波共鳴 / 半導体 / 低電子温度 / 高域混成波 |
研究概要 |
現在、直径20cmのプラズマ源が主流となっているが、次世代の半導体プロセス装置用プラズマ源として、数mTorrまたはそれ以下の低圧力領域で直径30cmの高密度プラズマ源が産業界から要求されている。電子サイクロトロン共鳴(ECR)効果を利用して生成されるECRプラズマは低圧力・高密度の条件を同時に満たすため早くから注目されてきたが、プラズマの大口径化が困難であるためにその開発が遅れている。即ち、ECRプラズマの一様性が磁場勾配、圧力、マイクロ波パワー等の外部条件に大きく左右され、試行錯誤により直径20cmのプラズマが実現されているのが現状で、直径30cmの均一なプラズマは未だに達成されていない。さらに、プロセスの微細化とともにチャージアップなどによる薄膜の絶縁破壊が問題になってくる。このために次世代プラズマ源としては電子温度を低くする必要がある。我々は、2カ年の本研究により、周波数2・45GHzのマイクロ波の基本モードの他に、900MHz帯の周辺部で、電場が強いマイクロ波の高次モード(円筒)TM_<01>モードを用いて直径30cmの次世代半導体プロセス用ECRプラズマ源を試作した。その主な成果は次の通りである。 (1)ECRプラズマの一様化に異常波の高域混成波共鳴が効くことを実験及び数値計算により明らかにした、(2)磁気ミラー効果を利用してECRプラズマの低電子温度化に成功した、(3)マイクロ波パワーを制御し、真空容器周辺での異常波(X波)の高域混成波共鳴(UHR)現象によりプラズマの一様化に成功した。 (4)圧力が1mTorr-10mTorrで、密度が10^<11>cm^<-3>以上、直径30cmのプラズマ生成に成功した。 (5)磁気ミラー効果の適用により、スロート領域で2eV以下の低電子温度プラズマを実現した。また、窒素ガスプラズマでは電子温度を2eV以下に下げることに成功するとともに、その物理的機構をエネルギーバランス及び粒子バランスの式を用いて説明した。 (6)プローブを用いて、反応性ガスプラズマ中の負イオン密度計測法を提案し、その測定に成功した。 (7)高感度の可視分光器を用いて、ECRプラズマ中のイオン温度測定に成功するとともに、1mTorr-10mTorr領域ではイオン温度が0.2eV以下であることが分かった。 以上の結果はプラズマプロセシング、特に、次世代の半導体プロセス技術開発研究の発展に大きく寄与するものと考えられる。
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