研究分担者 |
隅井 雅晴 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60284220)
増田 雄司 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30273866)
小松 賢志 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80124577)
井倉 毅 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (70335686)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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研究概要 |
トリチウム水の被曝線量を推定するために個体,及び分子レベルでのモニター系の開発を行なった。 1.Rev1遺伝子の機能を利用した放射線に高感度なマウスモニター系の開発 (1)Rev1/REV1の機能解析:マウス及びヒトのRev1の機能解析を行った。Rev1は,dCMP transferase活性を有し,脱塩基部位の損傷乗り越えDNA合成を行うことで点突然変異を誘発することを明らかにした。また,Rev1は,放射線照射で誘導された。この事から,REV1の機能亢進は,放射線被曝に高感度に反応して突然変異を生成する可能性の高いことが示唆された。 (2)Rev1トランスジェニックマウス(Tg)の作製:放射線に高感度なモニターマウスを作成する為,mRev1を組み込んだTgマウスを作成した。発現制御が可能なメタロチオネインプロモーターの下流にmRev1遺伝子を組み込んだMT-1プラスミドベクターを作成し,近交型マウスC57BL/6NJclに導入した。その結果,現在までに36匹のマウスを得た。今後,mRev1遺伝子発現を確認する予定である。 2.HTOβ線の分子バイオドシメトリー法の開発 (1)2重鎖切断部位に結合する蛋白質の同定と抗体の作成:DNA二重鎖切断によりヒストンH2AXが特異的にリン酸化される(γ-H2AX)。このリン酸化を特異的に認識する抗体を用いて蛍光抗体染色を行ない、DNA損傷時にH2AXのfociが形成されることを確認した。さらに、DNA損傷時にヒストンH2AXに結合するKU70/KU80,Tip60等の蛋白複合体をMS/MS解析し,新規H2AX結合因子群を同定した。さらに、これらに対する特異的抗体を作成し、蛍光抗体染色によりfoci形成の有無を検定した。また,NBS1が、γ-H2AXと共局在しfociを形成することを見出した。現在,2重鎖切断の数とfoci形成数の相関を検討中である。
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