配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2001年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2000年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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研究概要 |
この4年にわたる本研究を通じて,可視,真空紫外及びX線域の分光計測に使用した背面照射型CCD検出器は順調に動作し,原理的に,使用波長領域に制約がないことを実験的に検証した.特に真空紫外域では可視光を利用した分光器の焦点調整に大きく役立ち,研究の進展に飛躍的な進歩をもたらした.本研究で検証された安定した感度特性及び良好な空間・時間分解というCCDの特性は,今後様々な研究分野で役立つものと期待される. 可視域では背面照射型CCD検出器と従来型のImage-intensifier(I.I.)+Photo-diode-array(PDA)型検出器の検出特性を比較した.光照射下での誤動作による検出器の瞬時破壊,検出感度の経時変化,スペクトルの裾野部分の切れ,位置分解能,ダイナミックレンジ,時間分解能,安定性,S/N比等全ての点で背面照射型CCD検出器は圧倒的に優れていた. 真空紫外域では背面照射型CCD検出器とMicro-channel-Plate(MCP)+PDAを真空紫外分光器に取り付け比較した.結果は可視分光の場合と同様,比較にならないほどCCD検出器は優れた性能を有していることを確かめた.特に,従来では検出器動作中の真空度悪化による検出器の破壊が常に問題であったが,CCDの応用で完全に克服された.また,可視光を用いた結像面の調整はCCDの使用で圧倒的に簡便になった. X線領域では背面照射型CCD検出器とガス比例計数管の特性を比較した.X線領域ではプラズマの電子温度の変化によりX線スペクトルの放射強度が大きく変化する.結果として検出器のダイナミックレンジがX線領域での分光計測の限界を決定していた.X線分光に検出器としてCCDを応用した結果,従来型の比例計数管と比較して,ダイナミックレンジが1000倍以上拡大した.これまでダイナミックレンジ不足により,イオン温度計測における誤差が大きな問題となっていたが,CCDを応用することによりこれを完全に解決することに成功した.
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