研究課題/領域番号 |
12558057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 新居浜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中山 享 新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教授 (50300637)
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研究分担者 |
伊藤 克彦 第一稀元素化学工業(株), 開発部, 部長
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 放射性セシウム / リン酸ジルコニウム / 永久固定化 / 浸出特性 / 高レベル放射性廃棄物 / セラミックス / 三次元網目構造 / 水熱合成 / 高レベル廃棄物 |
研究概要 |
ZrOCl_2、H_3PO_4及びH_2C_2O_4の混合溶液から水熱反応で合成したNH_4Zr_2(PO_4)_3を熱分解することにより調製したHZr_2(PO_4)_3を用いてCsの固定化を検討したところ、以下のことが判明した。CsNO_3/HZr_2(PO_4)_3=0.2〜1.0範囲での混合物を600〜1200℃で熱処理することによって、Csの固定化を図った。700℃で熱処理したCsNO_3/HZr_2(PO_4)_3=0.4固定化体は、最も多いCs固定量(CsNO_3/HZr_2(PO_4)_3モル比が0.4で、約10wt%のCsになる)で、160℃のオートクレイブ中でのいくつかの溶媒に対して最小のCs浸出率を示した。その固定化体の160℃オートクレイブ中24時間の浸出試験結果は、原子吸光分光光度計により測定したCs浸出率でみると、純水、海水、0.1N-HCl、0.5N-HCl、1N-HCl、1.5N-HCl及び1N-NH_3に対して、<10^<-10>、1.0×10^<-7> 、<10^<-10>、<10^<-10>、4.7×10^<-9>、2.2×10^<-8>及び2.1×10^<-7> g・cm^<-2> ・day^<-1> であり、従来のホウケイ酸ガラスなどのCs固定化体に対する最も高い耐Cs浸出特性値である10^<-6>g・cm^<-2>・day^<-1>桁の浸出率(室温の純水における)に対して非常に優れていることがわかった。さらに、700℃で熱処理したCsNO_3/HZr_2(PO_4)3=0.4固定化体は0.1N-HCl中250℃でも4.89×10^<-8>g・cm^<-2>・day^<-1>と良好な耐Cs浸出特性を示した。また、電子顕微鏡観察及び粉末X線回折測定から、固定化体の外観及び結晶構造には変化が認められなかった。一方、Csと同じく長期間安定な固定化が望まれているストロンチウムについても同様に固定化を検討したところ、700℃で熱処理したSr(NO_3)_2/HZr_2(PO_4)_3=0.2固定化体(約4wt%のSrの固定化量になる)でも、従来のSr固定化体に較べて3桁以上の優れた耐Sr浸出特性が得られることがわかった。 以上の結果から、本研究の結晶質リン酸ジルコニウムHZr_2(PO_4)_3による放射性セシウムを永久固定技術は、簡単な方法で、より多くのCsを固定化でき、さらに得られた固定化体は250℃以下の温度領域で各種溶媒に対する高い耐Cs浸出特性を有することが明らかにできた。
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