研究課題/領域番号 |
12558058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
小林 喬郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90006247)
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研究分担者 |
杉本 伸夫 独立行政法人国立環境研究所, 研究室長 (90132852)
川戸 栄 福井大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60313730)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | 大気微量汚染分子 / 超光路吸収型レーザレーダ / LD励起小型OPO / 単一周波数出力 / 赤外広帯域波長可変 / 地形物ターゲット / 差分吸収レーザレーダー / マイクロチップレーザー / 光パラメトリック発振器 / 環境汚染ガス / 温室効果ガス / レーザーレーダー / 吸収分光 / 微量分子センサー |
研究概要 |
近年、地球環境の温暖化や大気汚染問題の深刻化が進んでおり、その解明のため、広域にわたる大気汚染物質の濃度を実時間で捉える高感度で高機能の光センサの実現が期待されている。本研究は超小型の光パラメトリック発振器(OPO)による赤外域波長可変レーザ光源を試作し、多種類の大気汚染分子濃度の室内平均値や分布値を地形物散乱体ターゲットからの反射光を利用して遠隔計測する新しい吸収型レーザレーダの開発を行うことを目的としている。 研究の成果は次の通りである。 (1)赤外域波長可変の超小型、全固体OPOの開発 パルス幅20ns、パルス繰り返し周波数1〜10kHz、スペクトル幅175MHz、平均出力10〜150mWの単一で周波数安定化した出力が保たれ、波長可変領域1.50〜1.93μmと2.36〜3.68μmが得られた。 (2)汚染分子の最適波長の選定と分光実験 測定分子としてメタンCH_4分子を取り上げ、HITRANデータベースを用いて最適波長などの解析を行った。特に、水蒸気やCO_2など大気構成主要分子のスペクトルとの干渉を小さくすること及び光路長により吸収強度を最適にするスペクトルの選択条件などについて検討を加えた。 (3)長光路吸収型レーザレーダの開発と測定実験 長光路吸収型レーザレーダを構成して、大気中のメタン分子の計測を行い、粗面散乱体をターゲットとして距離150mで信号対雑音比100、吸収量測定精度10^<-2>が測定時間1秒で得られた。 さらにこれらのシステム特性の最適化や、レーザの変換効率にシステムノイズの改善などにより、理論的に予想される値に近づけることが可能であり、また、メタン以外にCO_2やN_2Oなどの他の分子の測定が可能である。 本システムの応用として、1)固定システムとして、従来の化学方式によるポイントモニタ装置では対応できない道路や工場、空港などの大気汚染発生源の近傍及び都市域や住宅域などの広域における分子濃度の空間積算値と高度分布の観測システムとしての応用、2)パルス出力を増大して、小型車や航空機に搭載した移動計測により、広域の大気汚染の輸送特性の測定や、大気環境アセスメントのための新しい計測などが可能となる。
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