研究課題/領域番号 |
12558059
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境影響評価(含放射線生物学)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
二階堂 修 金沢大学, 薬学部, 教授 (60019669)
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研究分担者 |
石垣 靖人 金沢大学, 薬学部, 助手 (20232275)
松永 司 金沢大学, 薬学部, 助教授 (60192340)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | 損傷認識モノクローナル抗体 / デュワー型光産物 / ドットブロット解析 / 酵素標識免疫測定法(ELISA) / 太陽光紫外線 / UVB-UVA / UVC / リスク推定 / 酸素標識免疫測定法(ELISA) / ECL(化学発光増感)法 |
研究概要 |
デュワー型光産物(DwP)は太陽光紫外線で誘発される二量体型損傷の一つであり、(6-4)光産物(64P)から太陽光紫外線に含まれる320nm前後の紫外線によって光異性化されて二次的に生じる。DwPは太陽光紫外線により細胞DNAに蓄積し、長く残存するためその変異原性が高いとされている。ヒトにおいてDwPに起因するリスクの推定には太陽光紫外線中に含まれる320nm付近の波長域の線量測定が必要である.しかし当該波長域(UVB-UVA境界域)の紫外線線量を測定する既存の機器は測定波長域の狭間にあるため無きに等しいのが現状である。従って本研究で開発する新しい太陽光紫外線線量計のリスク推定への寄与は大きいものと考えられる。 1.64Pの光異性化の波長依存症の検討 予め100J/m^2のUVCを勝者して64Pを誘発させておいたDNAに、国立岡崎共同研究機構・基礎生物学研究所に設置されている大型スペクトルグラフ装置(OLS)を用いて種々の波長の単色光紫外線を照射した。照射されたDNA標品を一本鎖化後、酵素標識免疫測定法(ELISA)にてDNA中の64P並びにDwPを測定した。64Pの測定には64M-2抗体を、DwP検出にはDEM-1抗体を一次抗体として用い検出した。その結果、DNA中に残存する64P量が低下するにつれてDwP量が増加する結果を得た。DwPの特異的誘発ピークは320nmにあり、64Pの示す特異的吸収波長に一致した。 2.免疫ドットプロット法(IDB)を利用した定量的損傷検出系(太陽光紫外線線量計)の樹立 Calf thymus DNAに100J/m^2のUVCを照射後、ナイロン膜(ロッシュ)にブロットし、フィルムバッジ様の太陽光受光器を製作した。次いでマイラーフイルターで300nm以下の波長をカットしたUVBランプ(東芝・FL-20SE)で種々の線量を照射した。線量測定には英弘精機のMI-2101を用いた。UVBを照射後、DwPを認識するDEM-1抗体でフイルターを処理し、アルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗マウス抗体で2時間インキュペートした.次にCDP-star(ロッシュ)を滴下して発色させた。ナイロン膜上の化学発光シグナルは富士フィルムのLAS1000で撮影して画像解析し、Science Lab 98-Image Guageversion 3によりバンド強度(band intensity)を定量化した.その結果、UVB照射線量に依存してバンド強度は直線的に増加することが明らかになった。 3.フィルムバッジ型測定器の屋外試験 上記のフィルムバッジ型受光器は軽量で携帯に便である。しかし曝露される線量が高すぎると累積線量が正しく示さない可能性があるため、特異的波長吸収を示さないブルーポリェチレンフィルターをフィルムにかぶせることにより線量率を低下させることに成功した。その結果、金沢における日照量の最高日(初夏から夏にかけて)の紫外線線量に匹敵する線量をも正確に測ることが可能となった。
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