研究課題/領域番号 |
12558066
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
環境保全
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
原野 安土 群馬大学, 工学部, 助教授 (90238204)
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研究分担者 |
太田 智久 (株)タクマ, 中央研究所, 研究員
渡辺 智秀 群馬大学, 工学部, 助教授 (60251120)
佐藤 正之 群馬大学, 工学部, 教授 (70008473)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,600千円 (直接経費: 12,600千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2000年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | 過酸化水素 / プラズマ / 脱硫 / 脱硝 / 微小液滴 / 反応吸収 / 静電微粒化 / 排煙処理 / 吸収 / ヒドロキシラジカル / 超音波振動子 / ヒドロキシルラジカル |
研究概要 |
本年度は過酸化水素を添加した微小液滴を直接煙道排ガスに静電微粒化する新規プロセスについて検討を行った。この方法の狙いは液滴の微小化による吸収表面積の増大と同時に添加した酸化剤による反応吸収により、従来の石灰石膏法より少ない水量で高い脱硫効果を上げようとしたものである。反応管上部から差し込んだキャピラリーノズルと反応管下部のステンレスの網板との間に高電圧を印加し静電微粒化を行った。この実験で最も重要なパラメーターは液ガス比であり、本実験では約0.35liter/Nm^3で実験を行った。この値は従来の石灰石膏法のおよそ1/10〜1/50の使用水量に相当する。 結果として液滴径の微小化により液滴内の物質移動が促進され、200μm以下では酸化反応の効果が顕著に見られた。粒径が250μm以上では十分な脱硫率が得られないことから、最低でも200μm以下の液滴が必要であることがわかった。それ以上になると液滴内の拡散が律速となり液滴内の過酸化水素が有効に使われないのである。液滴径を150-180μmに制御し、各過酸化水素濃度に対する脱硫率と液側の硫黄酸化物イオン濃度を調べた。気相と液相での硫黄の分析値より物質収支はほぼ成立し、気相で吸収されたSO_2は液相でほとんどが硫酸となることがわかった。0.01-0.5Mの範囲では反応が律速であり、S[IV]とH_2O_2は1:1で反応するためH_2O_2濃度に対して脱硫率も1次で増加した。しかし1.0M以上では液内拡散過程が律速となり脱硫率が頭打ちとなった。次にキャピラリーノズルと高電圧電極間の距離を変えて液滴と反応ガスとの接触時間の影響を調べた。その結果によると非常に短い接触時間で反応吸収が完了しており、実際に静電微粒化法を脱硫プロセスに適用した場合には比較的コンパクトな吸収塔が構築可能であることがわかった。
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