研究課題/領域番号 |
12558079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 健作 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (70128396)
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研究分担者 |
中野 亨 塩野義製薬, 創薬研究科, 主管研究員
荒井 秀典 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60232021)
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10312539)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2001年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2000年度: 7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
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キーワード | Gas6 / 細胞増殖因子 / アポトーシス / メサンギウム細胞 / 糸球体腎炎 / Axl / STAT3 / 腎メサンジウム細胞 / ワルファリン |
研究概要 |
細胞増殖因子は正常個体における発生や創傷治癒、再生に不可欠である一方で、その発現の亢進や減少は、癌や動脈硬化など多様な疾患の原因となることが知られている。本研究では、Glaドメインを有する新規な細胞増殖因子Gas6の生理機能を細胞、個体レベルで解明するとともに、種々の疾患におけるGas6の関与を明らかにし、Gas6の特異的な阻害剤の開発により、これら疾患の診断と治療法を開発することを目的として研究を行い、以下の結果を得た。1)Gas6がマクロファージによるホスファチジルセリン含有リポソームやアポトーシス細胞の取り込みを著しく増加させることを見出した。アポトーシス細胞や老化細胞ではホスファチジルセリンが細胞外表面に配向することが知られており、Gas6は、ホスファチジルセリンと受容体Axlを認識する二価性の細胞間接着因子として、これらの細胞の認識と貪食というアポトーシスの実行過程に関与することが示唆された。2)Thy1.1抗体の投与による実験的糸球体腎炎ラットにおいて、Gas6,Axlの発現量の増加が観察された。Axl-Fc、ワルファリンの投与によってメサンジウム細胞の増殖抑制とPDGF産生の抑制効果が認められた。以上の結果は、糸球体腎炎の発症においてGas6とAxlが重要な役割を果たしていることを強く示唆しており、ワルファリンやAxl-Fcが有効な治療薬となる可能性を示唆している。3)Gas6刺激により腎メサンジウム細胞のSTAT3のチロシンリン酸化レベルの上昇と核内への移行が観察され、また、STAT3のドミナントネガティブ体はGas6によるメサンジウム細胞の増殖を阻害することから、Gas6による腎メサンジウム細胞の増殖のシグナル経路においてSTAT3が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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