研究課題/領域番号 |
12558083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 春木 大阪大学, たんぱく質研究所, 教授 (80134485)
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研究分担者 |
中井 孝尚 鐘淵化学工業(株), 高砂研究所, 基幹部員
中島 伸介 大阪大学, たんぱく質研究所, 助手 (60324852)
山崎 俊夫 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教授 (60273710)
守川 壮一 鐘淵化学工業(株), 高砂研究所, 主任
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
13,400千円 (直接経費: 13,400千円)
2001年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2000年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 区分標識法NMR / インテイン / VanX酵素 / 自由エネルギー計算 / ドッキング / シミュレーション計算 / 分子認識 / ドラッグデザイン / マルチカノニカル統計 |
研究概要 |
区分標識法NMRと自由エネルギー計算とを組み合わせ、溶液中での蛋白質・基質複合体の信頼性の高いモデルを作成する技術を確立し、蛋白質阻害薬剤開発の実用化をめざすことを目的とした。 基礎実験として行ったマルトース結合蛋白質(MBP:370残基)においては、基質を加えた時の化学シフトがMBP単独の場合とは大きく異なり、多くの新たなピークが出現したため、ふさわしくない系と判断された。そこで、ATP合成酵素サブユニットへの応用を行い、ATP合成酵素ベータサブユニットのアミノ酸391〜473を^<15>Nで標識した。^1H-^<15>N 2D NMR法によって、^<15>Nの信号のみを観測したところ、ほとんど全ての信号は分離して観測でき、ADPとMgイオンを加えることによって、蛋白質に起こった構造変化情報を観測できた。 薬物設計の対象となりうる92種の酵素ファミリーを調査した結果、バンコマイシン耐性菌が持つD-alanyl-D-alanine Peptidase(VanX酵素:約200残基)が適当と判断した。阻害剤か数種知られており、市販の阻害剤はないがD-Ala-D-Alaに類似した構造を持つ次亜リン酸化合物を合成することができた。同時にVanX酵素を大腸菌中で発現させる系の構築を開始し、^<15>Nおよび^<13>C安定同位体で均一に標識したVanX酵素を大量に発現・採取できた。^<15>Nで均一に標識したVanX酵素に、合成した阻害剤を添加し、NMRスペクトルにおける化学シフトの変化が観測でき、機能部位を予測した。 一方、マルチカノニカルWHAM法を用いたドッキング計算によって複合体形成における自由エネルギーを計算する手法を開発し試行した。また、NMR交差飽和法を利用した蛋白質複合体結合界面情報を、ドッキング計算に利用する新たなアルゴリズムを考案し、CAD-ICADの系において実施して有効性を確認した。
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