研究課題/領域番号 |
12558103
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岩崎 泰彦 (2001) 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
中林 宣男 (2000) 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (30014020)
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研究分担者 |
石原 一彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90193341)
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
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キーワード | 血液・輸液バック / ポリオレフィン / リン脂質ポリマー / 血液適合性 / タンパク質吸着 / 血小板粘着 / 光重合法 / 表面改質 / 光重合 / MPC / ポリエチレンフイルム / 生体適合性 / SEM / 血小板粘着抑制効果 |
研究概要 |
本研究では、申請者らが合成した生体適合性を有するリン脂質ポリマーを活用して表面を修飾したポリオロフィン膜を用いてこれまでにないタンパク質非吸着型血液、輸液バックを創製することを目的とした。 平成12年度は光開始重合法によりMPCポリマーをグラフトしたポリエチレン(PE)シートの調製について検討した。ベンゾフェノン/アセトン溶液にPEシートを浸し、表面にベンゾフェノンを被覆した。所定濃度のMPC水溶液を調製し、重合管に移し十分に脱気した後、PEシートを重合管に入れ封管した。超高圧水銀灯を用い、重合管に紫外線を照射した。その後、エタノールでPE膜を十分に洗浄し、乾燥してMPCポリマーをグラフトしたPCシートを得た。PE表面におけるMPCポリマーのグラフト密度はモノマー濃度や紫外光の照射時間に依存した。MPCポリマーをグラフトすることによりPE表面のぬれ性や潤滑性が著しく向上した。 平成13年度は生体由来のリン脂質と同じ極性基を有する2-メタクリロイオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマーを表面修飾したポリエチレン(PE)シートを用い、血液バックを作成し、その血液適合性を評価した。 ポリマー表面へのタンバク質吸着は、吸着量のみならず、種類、分布について評価した。その結果、MPCポリマーを修飾したPEシートの表面は、未処理のPEに比べ有意にタンパク質の吸着を抑制した。また、MPCポリマー表面のタンパク質非吸着特性は特異なタンパク質に対して起こるものではなく、非特異的であった。 ヒト全血より調製した血小板多血漿をポリマー表面に所定時間接触させた後、ポリマー表面を走査型電子顕微鏡にて観察した。また、熱プレス法で作成したポリマーバックの中で所定時間血小板懸濁液を保存した後、血小板の活性化について細胞内遊離カルシウムイオン濃度を測定することにより調べた。MPCポリマーでPE表面修飾することにより血小板の粘着および活性化は著しく抑制された。 本研究を通じて、タンパク質吸着および血小板の粘着、活性化を効果的に抑制できる血液・輸液バックを創製することができた。
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