研究課題/領域番号 |
12559005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 正明 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026572)
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研究分担者 |
高畑 京也 岡山大学, 農学部, 教授 (30243497)
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
竹中 康之 京都大学, 農学研究科, 助手 (20273518)
高橋 知也 協和発酵工業(株), 筑波研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
2001年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | soymetide-4 / etoposide / fMLP / ヒスタミン / IL-1 / NF-κB / 毛母細胞 / アポトーシス / β-conglycinin / soymetide / 抗脱毛作用 / 育毛促進作用 / ダイズ / TNF / Boc-MLF |
研究概要 |
抗脱毛および育毛は快適な社会生活として重要な問題であるが、特に、抗がん剤による脱毛は深刻な問題であり、患者のquility of lifeの向上という観点から有効な抗脱毛剤の開発が期待されている。我々は各種の生活習慣病を予防する機能を有する成分を食品から探索する過程で、大豆タンパク質の酵素消化物から免疫促進ペプチドとして単離したペプチドsoymetide-4が抗がん剤etoposideによる脱毛を経口投与で抑制することを幼ラットを用いたモデル系で見出し、本研究を企画した。 先ず、soymetide-4による抗脱毛作用が細菌由来の走化性ペプチドとして知られているfMLPと共通のレセプターを介していること、fMLPそのものは経口投与では無効であるが、腹腔内投与では抗脱毛作用作用を示すことを見出した。また、fMLPレセプターサブタイプのうち、低親和性レセプターであるFPRL1に対する選択的なアゴニストペプチドであるMMK-1も抗脱毛作用を示すことを見出した。このことはfMLPに対する高親和性レセプターであるFPRのみならず、低親和性レセプターであるFPRL1も抗脱毛作用に関与していることを示唆している。 さらに、fMLPアゴニストによる抗脱毛作用がヒスタミンH1アンタゴニストであるpyrilamine、IL-1阻害物質であるLys-D-Pro-Thr、およびNF-κB活性化阻害物質であるpyrrolidine dithiocarbamate ammonium(PDTC)によってブロックされることから、fMLPレセプター下流の作用機構として、histamineの遊離⇒H1レセプター⇒IL-1の放出⇒IL-1レセプター⇒NF-κBの活性化⇒毛母細胞のetoposideによるアポトーシスの抑制⇒抗脱毛作用、という機構を推定した。 また、soymetide-4をリード物質として、同様のメカニズムに基づいて、より強力な抗脱毛作用を示すオリゴペプチドを設計することにも成功し、経口投与で有効な抗脱毛ペプチドを、将来、食品タンパク質の酵素消化物から探索したり、遺伝子操作によって食品タンパク質中に組み込んで生産するための基盤を確立した。
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