研究課題/領域番号 |
12571003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
岡田 裕成 福井大学, 教育地域科学部, 助教授 (00243741)
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研究分担者 |
加藤 薫 神奈川大学, 経営学部, 教授 (40291968)
齋藤 晃 国立民族学博物館, 助手 (20290926)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
2002年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 植民地美術 / アンデス / スペイン / キリスト教美術 / ペルー / ボリビア / パラグアイ / キリスト教 / 教会装飾 / 南米 / 壁画 |
研究概要 |
平成12年度からの3ヶ年にわたり、われわれはおもにアンデス高地南部地域を中心に植民地時代キリスト教聖堂の美術装飾に関する実地調査をおこなった。本研究の主な目的のひとつは、それら装飾に関する写真記録の作成であった。われわれは、クスコ(ペルー)からポトシ(ボリビア)に向けてのルートをたどり、この地域において、計116ヶ所158聖堂の調査をおこなった。その多くは高地および谷筋の交通困難地に所在する。さらに、最終年にはボリビア低地チキートス地方からパラグアイ、アルゼンチン所在のイエズス会布教区跡などの調査も実施した。われわれの写真記録は、いわゆる「メスティソ様式」などの建築装飾に加え、聖堂内部の祭壇衝立や格天井、壁画などの細部にもおよぶ。総点数は1万5千を越え、この分野に関しては国内はもとより、国外にも例をみない規模の写真集成となっている。 この写真記録は、植民地の視覚文化の体系を進め、植民地時代アンデスの文化について新たな知見をもたらすうえで、基盤となるものである。これに基づきつつ、われわれは、ヨーロッパ文化と新大陸先住民文化の単純な融合、「混血(メスティソ)」によって植民地時代の文化を説明しようとする従来の立場の問題点を指摘し、あわせて、植民地の支配体制に関わる社会文化的条件と美術との複雑でダイナミックな関係について解明を進めた。 たほう、われわれ調査チームは、植民地時代聖堂の保存修復の重要性を深く認識し、ポトシの2教区聖堂(コパカバーナ聖堂、サン・ベニート聖堂)において、将来の本格的修復に向けた、技術的調査も実施した。
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