研究課題/領域番号 |
12571020
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
クネヒト ペトロ (ペトロ クネヒト / KNECHT Peter) 南山大学, 人文学部, 教授 (00121468)
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研究分担者 |
黄 強 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90329673)
畑中 幸子 中部大学, 国際関係学部, 名誉教授 (00019340)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
12,400千円 (直接経費: 12,400千円)
2003年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2001年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 国際研究者交流 / 多国籍:日本・中国・スイス / 文化人類学 / 社会人類学 / シャーマニズム / 少数民族 / 国際情報交換 / 社会変化 / 多国籍:中国・日本・スイス / 多国籍中国・日本・スイス・ドイツ / 中国東北部 / オロチョン / エウェンキ / 文化変更 |
研究概要 |
目的:本研究の目的は、シャーマン(Ev:saman)という語の発生地でさえあるTungus系諸民族を初め、アルタイ語族の少数民族におけるシャーマンの諸活動を確認し、できるだけ観察すると共に、それらが大きく変化している社会状況の中で占めている位置を把握することである。研究対象はエヴェンキ、オロチョン、ホジェン、ダフール、モンゴルと満州の諸民族である。 成果:本来狩猟民であるオロチョン族は定住化政策の結果下山してから50年がたっている。元狩人のlife historyと現在農耕に従事している人々の生活事情を分析した結果、彼らの伝統的社会組織が崩れ、言語も失われているなどの社会変貌が明らかになった。しかし、漢人社会の影響が著しいのに、彼らが氏族名を覚えたり、オロチョンの集会に出席することによって、アイデンティティを守ろうとしているのはわかった。 シャーマニズムに関しては、文化大革命を初め、共産主義の行政が各少数民族の社会や信仰に及ぼした影響は大きい。にも拘らず、シャーマンの数が毎年増えている所がある。しかし、元来の社会組織が衰えているので、シャーマンは特定の氏族や親族等のために勤めるより、誰が来ても、その要求に応えようとする。主に治病儀礼と先祖、敖包、季節などの祭りを行う。厳しい行政環境下に置かれて、シャーマンの伝承が一時途絶えたところがあるので、シャーマンの候補者は一般の人、場合によって、漢人さえの記憶に頼り、伝承を新たに生かそうとするケースもある。これは、シャーマンの能力継承を考える場合には重要な新事実である。さらに、狐信仰のような漢人の独特な信仰形態が次第に少数民族の間に広まっているのも明かになった。最近ふえつつある観光客のために踊り等を披露するシャーマンも出ているので、シャーマニズムをイヴェントの視点から研究する必要もあろう。無神論を奨励している社会には何故シャーマンが相次いで現出するか、その理由は今後の研究課題であろう。
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