研究課題/領域番号 |
12572005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
神谷 国弘 関西大学, 名誉教授 (20067515)
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研究分担者 |
難波 孝志 名古屋短期大学, 現代教養学科, 助教授 (00321018)
中道 實 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (40067690)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2000年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | ドイツ連邦共和国 / ジェントリフィケーション / インナーシティ / 都市再開発 / 立ち退き / 老朽密集住宅地 / 社会的不平等 / セグリゲーション |
研究概要 |
本研究は、老朽密集住宅地区再開発において生起する諸問題-とりわけ再開発に伴う住民の入れ替えに代表される-とその対処のあり方の日独比較研究を通して、わが国における21世紀の都市再開発のあり方を模索することを目的とする。 過去3年間の調査研究を通して、以下の点をまとめとして列挙しておく。ドイツの事例の交渉過程と日本の事例の交渉過程は、非常に似通っている。利害の絡んだ交渉は、日本、ドイツを問わず、普遍的に同じ方向へ向かうと言うことができるであろう。 ここで3つの相違点を列挙できる。第1点は再開発期間である。ドイツ事例が、10年間でほぼ再開発を完了しようとしているのに対し、日本では30年間を経て未だに再開発が進行中である。これには、再開発地区の面積や建物の老朽化度、修復型かしゅんせつ型かなどの諸要因が関係している。再開発は、時間を費やせばよいというものではない。素早い措置を実行できるドイツの再開発に見習うべき点は多い。 第2は、日本での事例が住民の入れ替わりを極力抑えたのに対し、ドイツの事例が住民の入れ替わり、すなわちジェントリフィケーションを伴っていたことである。日本の再開発は、住民の入れ替わりを伴うことを極力防ぐことに重点を置き、時間を費やしている。今後、短期間で工事が完了し、なおかつ住民の入れ替わりの伴わない再開発のありかたを模索しなければならないだろう。 第3に、街並みの調和・統一へのドイツと日本の所有者の意識の違いである。日本では、「何にでも使える土地が一番よい土地」と言われることもある。つまり、統一や調和がないことが、最重要視される傾向がある。ドイツ事例が、行政のコントロール下で短期間の再開発をやり遂げたのに対し、コントロールの効かない日本では、補助金という飴を見せながら、再開発を進める以外に今は方法がない。今後、再開発における鞭についても検討の余地があるだろう。
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