研究課題/領域番号 |
12573001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 智 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80182624)
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研究分担者 |
立松 健一 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (40202171)
関本 裕太郎 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (70262152)
岡 朋治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10291056)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2002年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | サブリミ波 / 中性炭素原子 / 星間分子雲 / 銀河系 / 電波望遠鏡 / 星形成 / サブミリ波 |
研究概要 |
本研究の目的は、小型超伝導受信機を搭載した可搬型18cmサブミリ波望遠鏡を南米チリのアタカマ砂漠の高地(標高4800m)で運用して中性炭素原子スペクトル線(周波数492GHz)の広域観測を行うことにある。この目的を達成するために、まず小型超伝導受信機の整備を行った。小型のGA42段型冷凍機を用いることによってコンパクトな受信機システムを構成し、492GHzにおいて受信機雑音温度で約200Kを達成した。この受信機を可搬型18cmサブミリ波望遠鏡に搭載し、アタカマ砂漠での観測実験を行った。 実験は平成13年3月、平成13年9月、平成14年9月の3回行なった。第1回目の実験では輸送中に望遠鏡のアジマス駆動軸が破損するなどのトラブルが発生し、また、天候も著しく悪かったので、機器の動作確認を行うに止まった。第2回目の実験では望遠鏡としての立ち上げを行うことができ、光学カメラを用いた指向精度の較正、太陽・月のサブミリ波連続波を用いた望遠鏡の能率測定などを行った。これらの経験を踏まえ、第3回目の実験において、へびつかい座分子雲で中性炭素原子スペクトル線(492GHz)の初受信に成功した。その後、わずか1週間程度の限られた期間ではあったが、NGC6334,M17などのいくつかの天体で観測を行うことができた。特に、M17において速度幅は40km s^<-1>に達するウイング成分を検出した。この成分は空間的にも広がっていることから、原始星からの双極分子流では説明が難しい。従って、星間雲の新しい形態の可能性を秘めた重要な結果と言える。このように、本研究では、可搬型18cmサブミリ波望遠鏡の本格運用への橋頭堡を確立するとともに、重要な科学的成果を挙げることができた。
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