研究分担者 |
奥村 晃史 広島大学, 文学部, 助教授 (10291478)
山中 浩明 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (00212291)
山崎 晴雄 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70260784)
隈元 崇 岡山大学, 理学部, 助教授 (60285096)
松永 恒夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (70302966)
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配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2002年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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研究概要 |
本研究は,巨大地震の発生様式を解明し,かつ地震に対する備えが十分でない地域における地震危険度評価への適応を試みることを目的とし,モンゴルをテストフィールドとして実施している.本年度はその最終度目に当たり,Bulnay断層の東西2カ所においてトレンチ発掘調査を行った. 東部トレンチは,Bust Nuurの東方約50kmの地点で掘削した.掘削は手掘りで,長さ約10m,深さ約2.5m,幅約1mで,壁面は鉛直とした.この地点周辺には最終氷期の堆積物と推定される礫層が広く分布し,トレンチの壁面にはこれを覆う砂〜シルト層が認められ,最上部には厚さ20cm程度の腐植層が認められた.壁面に認められた断層の多くは,最上部の腐植層にまで及んでいた.一方,フラワー・ストラクチャーを呈する部分の南側では最上部の腐植層に覆われる断層が認められた.これらの事から,本地点では少なくとも最終氷期以降に複数回の活動があったことが明らかになった. 西部トレンチは,Oyogon Nuurの西方約50kmの地点で掘削した.掘削は東部トレンチと同様に手堀で,長さ約7m,深さ約3m,幅約1mで,壁面は鉛直である.この地点周辺の地質は,東部トレンチと同様に,最終氷期の堆積物と推定される礫層が広く分布し,トレンチ壁面には,これを覆う砂〜シルト層が認められた.トレンチ中央部の断層は地表面に近づくに従って緩傾斜となり,フラワー・ストラクチャーを呈する.フラワー・ストラクチャーを呈する部分の幅は3m程度である.断層の多くは,最上部の腐植層にまで及んでいるが,フラワー・ストラクチャーを呈する部分の北側では,最上部の腐植層に覆われる断層が認められた.これらの事から,本地点でも,少なくとも最終氷期以降,複数回の活動があったことが明らかになった.
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