研究課題/領域番号 |
12574004
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
水工水理学
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研究機関 | 大同工業大学 |
研究代表者 |
下島 栄一 大同工業大学, 工学部, 教授 (80027276)
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研究分担者 |
玉川 一郎 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 助教授 (40273198)
堀内 将人 大同工業大学, 工学部, 教授 (00157059)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
10,900千円 (直接経費: 10,900千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2001年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2000年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 西オーストラリア / 半乾燥地域 / 蒸発 / 塩類集積 / 水文観測 / 気象観測 / 西オーストラリア半乾燥地 / 蒸発・降雨 / 塩類集積の消長 |
研究概要 |
西オーストラリア半乾燥地での蒸発-塩類集積の関係を現地観測的に調べるため、Bakers Hillにあるオーストラリア科学産業研究機構(CSIRO)のYalanbee試験地で、2000年10月〜2003年3月の間、定常的な水文・気象観測を実施した。また、時折、現地で実施した土壌サンプリングを通して土壌水分量や塩分濃度の鉛直分布を調べると共に、地中水蒸気フラックス(蒸発強度)を評価するため、地中での水蒸気密度の測定やドーム式蒸発計による実験を行った。 塩類の集積は乾季に特に促進され、地表面では厚さ5mm程度の塩クラストの形成が見られた。この集積は雨季(年降水量は400mm程度)での鉛直浸透や地下水面の上昇によって緩和されるが、濃度はそれでも高く、海水と同程度となっていた。この塩分の主イオンは、CL^-、Na^+、Mg^<2+>である。地表面付近で観測した土壌水の塩濃度の上限値はそこでの水分量と凡そ関係づけることができ、重量含水率が0.12以下では上限値は一定(飽和濃度)であるが、それ以上になると、指数関数的に低減することが分かった。 乾季に計測した地中水蒸気密度は、地表面付近(〜5cm)で深さと共に直線的に増大するが、この直線は地面で勾配を急増することが推測された。これはクラストによる水蒸気移動抵抗が非常に大きいことよると考えられる。またこの直線勾配より評価される水蒸気フラックスはドーム式蒸発計の実験結果と大略一致することが分かった。 気象観測はVaisala社のMAWS 101および201に依ったが、約2年間のデータを連続で得ることができ、これらのデータより現地での熱収支や蒸発の状況が推定できた。特に、地面反射率に関しては塩類の集積に伴う乾季、湿潤期の変動が大きいことが示され、塩類集積から反射率を経由して熱収支への影響があることが定量的に示された。
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