研究課題/領域番号 |
12575002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
遺伝
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山崎 常行 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (10108649)
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研究分担者 |
猪股 伸幸 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (20301335)
仁田坂 英二 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (60222189)
SZMIDT Alfred 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (70325497)
颯田 葉子 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (20222010)
高畑 尚之 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 教授 (30124217)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
2002年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2001年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2000年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | Dipterocarpus / symbiosis / fungi / Drosophila / molecular evolution / genetic diversity / population structure / mangrove / evolution / tropical forest |
研究概要 |
本研究では主として二つのテーマを研究した。 1)フタバガキ科樹木の系統関係の解明 2)フタバガキ集団およびマングローブ集団の遺伝的変異量の推定と集団構造の解明 系統関係を明らかにするための材料はマレーシアのFRIMにある樹木園とマレーシア、タイ、およびスリランカの自然林で採集した。葉緑体の2遺伝子領域とミトコンドリアの1領域を使って分子系統樹を作成した。スリランカからの種はほとんどの場合、独立のクレードを形成したが、一部のものはマレーシアやタイからの種と同じグループに入ることがわかった。全体としては、我々が以前により少数の種を使って発表した系統樹との矛盾はなかった。現時点ではアフリカと南米のサンプルが取れていないのでフタバガキの進化と大陸の大移動との関連にかんしてはなんとも言えない。この問題の解決にはこの二ケ所からの材料を解析することが重要である。フタバガキの集団はマレーシア半島部の3集団から採集されたS. acuminata, S. parvifolia, S. curtisii, S. leprosulaを使用した。平均種内ヘテロザイゴシテイは0.002,Fstの平均値は0.1程度であった。マレー半島のフタバガキ科ショレア属の3種では遺伝的多様性はあまり高くなく、集団間の遺伝的分化の程度も著しく高い値ではなかった。それと比較して、太平洋岸全域とインド洋に面したマレーシア西海岸から採集したマングローブのオヒルギ集団では非常にはっきりした分化が見られた(Fst=0.8)。全体としての平均ヘテロザイゴシテイは0.013という大きな変異量を示したが、その8割以上が集団間の違いとして保存されていることになる。このことは海洋性のマングローブと陸生のフタバガキでは集団の大きさ、移住の量等に大きな違いがあることが明かとなった。このような情報は熱帯林の再生、保存に極めて重要であると考えている。
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