研究課題/領域番号 |
12575017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
人類学(含生理人類学)
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
古市 剛史 明治学院大学, 国際学部, 教授 (20212194)
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研究分担者 |
伊谷 原一 林原生物化学研究所, 類人猿研究センター, 所長
金森 正臣 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70015585)
加納 隆至 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40045050)
橋本 千絵 京都大学, 霊長類研究所, 教務補佐員
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2002年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2001年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | アフリカ / 熱帯林 / チンパンジー / ボノボ / 食物生産量 / 季節変化 / 森林保全 / 持続的利用 / 熱帯雨林 / 熱帯乾燥林 / 果実生産 / 植生利用 / 食性利用 / 繁殖戦略 / ネスト・カウント |
研究概要 |
この研究では、様々なタイプの熱帯林でPan属のチンパンジーとボノボの生態を詳細に調べ、季節変動をともなう環境下でどのように生活を成り立たせているのかを分析した。 熱帯雨林辺縁部に位置するウガンダ・カリンズ森林では、季節ごと、植生タイプごとの食物生産量の変化と、それに対応するチンパンジーの遊動域の利用パターンの変化を分析した。これによって、チンパンジーの生息密度が一次林か二次林かということよりもその植生タイプの樹種構成に大きく左右されることや、チンパンジーが様々なタイプの植生を季節ごとに使い分けていること、一次林の果実が乏しい時期には二次林に広く見られるMusangaの果実を退避資源として利用していることなどを明らかにした。 乾燥疎開林帯に位置するタンザニア・ウガラ地区の研究では、チンパンジーが湿潤森林地帯に比べてはるかに広い面積を季節ごとに使い分けていることが明らかになった。遊動パターンが明らかになるにつれて直接観察の頻度も上がり、今後の研究にきたいがもてる。 熱帯雨林中央部のコンゴ民主共和国・ワンバ地区のボノボについては、1996年以来の内戦が終息に向かった2002年度に、海外共同研究者による基礎調査を再開した。その結果、長年観察対象としてきた集団を再度人づけすることに成功し、研究再開の目途がたった。 森林の保全に関する研究では、カリンズ森林で伐採の影響と回復過程についてのモニター調査を行った。この結果、選択的伐採でも作業にともなう中低木への被害が大きく、予想以上に森林の回復が遅れることが明らかになった。この報告を受けた森林局は、我々との共同でダメージの小さな伐採方法や伐採にかわる森林の持続的利用の研究をすすめ、エコツーリズムの導入によってカリンズ森林の持続的利用を図ることを決定した。この取り組みは、アフリカの熱帯森林保全のモデルケースになるものと期待している。
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