研究課題/領域番号 |
12575022
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
末田 達彦 愛媛大学, 農学部, 教授 (90109314)
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研究分担者 |
安江 恒 信州大学, 農学部, 助手 (00324236)
小林 修 愛媛大学, 農学部, 助手 (20294788)
加藤 輝隆 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80115162)
大林 延夫 愛媛大学, 農学部, 教授 (20253320)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
2002年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | 気候復元 / 標準年輪曲線 / ヒマラヤ / 四国山脈 / Fokienia / カムチャッカ / ラオス / 地球温暖化 / 年輪年代学 / 古気候復元 / パン岳 / ガネッシュヒマール / 雲南省 / ネパール / Abies spectabilis / Picea smithiana / Fokienia hodginsii |
研究概要 |
本研究では、モンスーンアジア地帯の過去500年の気候復元を目指し、最初の二年間で年輪試料の採取を、最後の一年でその測定と解析による気候復元を計った。まず年輪試料は日本のほか初年度にはネパールヒマラヤを、次年度にはラオスを中心に行ったほか、これに分担者として採取に参加したカムチャッカの年輪試料を加え、計32サイト分、900本あまりの樹木から採取することができた。この段階では、従来年輪を形成する長寿の樹木を欠き気候復元が不可能とされていた東南アジア(ラオス)において、樹齢千年を超えるFokienia(フッケンヒバ)を探り当て700年におよぶ年輪試料を採取できたことが最大の成果であった。 最終年度には、これら試料の年輪幅変動の解析から採取地各地の古気候を復元した。すなわち東ネパール、カンチェンジュンガ地域では過去300年、西ネパール、フムラ地域では285年、カムチャッカ半島クロノツキー地域では420年、同パラツンカ地域では210年、わが国の四国山脈では240年の気候が復元できたが、カムチャッカの復元気候は目下のところ世界で最長である。また、ラオスだけは、現地の不安定な国情などに阻まれ予定量の年輪試料が採取できなかったこととに加え、世界で初めて年輪解析の対象としたFokieniaの年輪解読が困難であったため研究期間中に気候復元がかなわなかったが、過去700年の気候復元が可能なことが明らかになった。またモンスーンアジアを北東-南西に繋ぐこれら各地の気候復元結果を比較・統合した結果、人為による地球温暖化は、高緯度では.1800年代から明瞭に表れているが、緯度の低下に従い発現時期が遅くなるとともに明瞭さも失われ、ヒマラヤ地域では気温に関わる長期の傾向的な変化はまったく認められないことが明らかになった。
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